FEATURE ARTICLES 12 人間の中にある「編集デザイン」

THE CHIEF EDITOR'S NOTE

目の前で繰り広げられる「瞬間の編集デザイン」


ずーっと喋ってるんですよね、鈴木さんって。しかも聞いてて飽きないんです。

話の途中で、前に聞いたことがあるエピソードだな〜とか思ってると、全然違う話につながっていって、「へぇ新見解!面白い」と思って聞いていたら、いつの間にか論理的で先生みたいな鈴木さんが戻ってきてて。それも誰かの一言をきっかけに、ふいにまた違う方向に話が向かっていったり。
こんな感じで徒然なるままに語っていく様子が、グルービーでありつつも、まんまガールズトークだな、と思ったわけです。

それも単純に自分の気分・興味だけで喋ってるのかと言えばそんなわけはなく、メンツや場をよく観察した上で、最適な話題や見方を選択しているみたいです。結論をもたずに喋ったり、その場しのぎの話をしているはずもなく、会話の中で絶妙に探りを入れながら、毎回その場に対してカラダで反応し思考をめぐらせ、アップデートされた言葉が紡がれてるんだと思います。

そういえば以前、僕がちょっと内にこもってた時期に、「青木くんは、とにかく外に出ていろんな人に会いなさい。」と鈴木さんに突然言われたことがあるんです。これも今から思うと、コミュニケーションの絶対量が足りてないことを見透かされてのアドバイスだったのかもしれません。

今回は、インタビューで言われているとおり、「瞬間を編集しデザインする。そのための心得や態度が、まさしく今目の前で実践されてるんだな」と思いながら話を聞いてた感じです。

40年以上の長きに渡る、会社の第一線でのご活躍、本当にお疲れさまでした。(『サストコ』編集長 青木晃治)

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