FEATURE ARTICLES 15 「コンセントが取り組むEIA」


ったことが改善後に目指す指標に入ってくる、という感じです。方法としては定性的なアンケートをとるというのが1つあると思います。

河内
お客さまから、これをどうしても達成する必要があるからと、最初に指標を示されることはない?

山中
「売り上げを120%にする」「問い合わせを2倍にする」といった指標はどちらかと言えば営業に近い部署が管理するものなので、コミュニケーション部門からの相談が多いEIAのプロジェクトでは、数値を厳密に示してくるお客さまはあまりいらっしゃらないですね。EIAのアプローチで解決する問題というのは、お話ししてきたように、コミュニケーションを円滑にするとか、ブランド毀損にあたらないようにリスクヘッジするとか、ブランド認知を向上させるといったことなので、数値では示しにくいんです。

坂田
われわれがやっているのは、人対人のコミュニケーションデザイン。ここで言う「人」というのは、社内の人とエンドユーザーの人という意味です。たとえば「言語が違う」「部門間で連携が取れていない」といったコミュニケーションデザイン上の課題というのは定性的で、何よりもその課題自体に強く共感を得られるんですよね。だからその課題が改善されるのはイメージしやすいわけです。言語の問題だったら会話ができるのが改善イメージ、という具合に。そういった共感が得られるような課題を摘出できるように設計しているというのも、EIAプロジェクトの特徴の1つかなと思います。

このコミュニケーションデザイン上の定性的な課題というのは、間接的にいろんな問題の複合要因になっているので、それが改善されるとさまざまな効果をもたらすんですね。課題そのものだけではなく、その先にある課題までが改善されるという効果が。ですので、「効果検証はこうしましょう」というよりも、「これらが改善されます」とお伝えすることが多いですね。

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