FEATURE ARTICLES 12 人間の中にある「編集デザイン」

第3章 ガールズトーク × 鈴木 誠一郎

発見のネタが無数に転がる「ディテール」


鈴木
連句って長い時間がかかるから飲み食いしながらやるんだけれども、無駄話も結構するわけ。みんな一生懸命、前句にどう付けるかを考えてるんだけれども、そればっかりやっているともたないから、息抜きに無駄話を盛んにしてるわけだよね。関係のない話をガンガンやってると、その話題の中からもパッと発想が浮かぶことがある。

青木
結果的に無駄じゃなかったという感じに。

鈴木
大半は無駄なんだけど。別に「役に立てよう」って意識してやってるわけじゃないんだよね。連句のやり方にもよるんだけれど、つくる人の順番を決めて進めるやり方だと、考える順番に当たってる人以外は、何も考える必要がないから無駄話してるわけ。おじさんやおばさんなんだけれども、ほとんどガールズトーク(笑)。
ところで、ガールズトークってディテールの話がほとんどだけれど、物事のディテールって面白いよね。

青木
ディテールが面白い?

鈴木
筋道の立った話をするときは、その筋道の枠組みがあるわけじゃない? 何かの目的があってここに落とし込もうみたいな。でも、ガールズトークっていうのはそれがない。そうすると、生のディテールが出てくるわけ。それが面白いんだよね。発見のネタがいっぱい転がってる感じがある。なんの枠組みもないから話は広がるし、どこに広がるかわからない面白さもあるでしょ。

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