FEATURE ARTICLES 12 人間の中にある「編集デザイン」

第3章 ガールズトーク × 鈴木 誠一郎

ガールズトークは人間のコミュニケーションの本質


青木
コミュニケーション自体を楽しむということですね。

鈴木
それこそ素粒子と素粒子の間で、別の素粒子をやりとりすることで、お互いの引っ張り合う力が確保されてるみたいな関係。人間のもつコミュニケーションの力っていうのは一人一人独自につくってるわけじゃなくて、コミュニケーションのシステムを他の人間と共有することで成り立っているもの。他の人間と情報のやりとりを続けてないと枯れてっちゃうの。コミュニケーションをし続けること自体が、人間にとっては生き続けるための必須条件なんだよね。何が目的か、何かの役に立つか立たないか、なんてことは二の次。コミュニケーションをすること自体の中に楽しみとか喜びの種があるわけ。それに、さっき言ったように、一人一人が創造的じゃないとコミュニケーションが成り立たない。言葉は硬いコードじゃなくて、緩くて流動的な体系だから。それは、いわゆるガールズトークや井戸端会議とか、そういうところではっきり出てる。男はすごく理屈っぽく何かのための話をすることが多くて、そっちの方が偉いような気がしてることが多いと思うんだけれども。ガールズトークの方が人間のコミュニケーションの本質に近い感じがする。

青木
仕事でも、せっぱつまったときって、男性よりも女性の方が意外としぶとく最後までやり遂げるみたいな(笑)。

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