2012/07/25 20:25
まいど、編集長の青木です。今回は、7月11日(水)に行われたイベント『コロリの引き出し』の様子をお届けしまーす。
このイベントは、絶賛サストコの特集(FEATURE ARTICLES 6)でも登場してもらってる通称コロリさんこと田中晃二さんに、今だからこそ聞ける仕事についてのあれやこれやをじっくり3時間、若者代表(?)の渡邊くんと関口くんに余すとこなく聞き出してもらったトークイベントです。
そうそう、このイベント、コンセントメンバーだけじゃなく、面白法人カヤックさんも参加してくれました!(ちなみにカヤックさんの恵比寿支社は、会場のamuから徒歩5分圏内! 近いー)
出版のビジュアル化黎明期から、デザイナーとして、アートディレクターとして、半世紀近くに渡り”デザイン”と共に歩んできたコロリさんに、当時の貴重な資料を見せてもらいつつ、この何十年かを振り返ってもらいました。
と、その前に、コーナータイトルの「デザインを肴に。。。」についてですが、コンセントの売りというか価値である”デザイン”について気楽に語れる場所がないな、ということで作ってみた枠組みです。別に仰々しく難しい話をしたいわけではなくて、色んな意見が話せて聞けて、社内外のみんなが混ざれる機会や場所があった方が面白いな、と始めてみました。ちょっと一杯引っ掛ける感じで気軽に遊びに来れるようなライブイベントを仕掛けつつ、それをまとめたり発展させたりしていこうと思ってますんでよろしくお願いしますー。
その第一弾としてこのイベントを催したわけですが、そもそもコロリさんをこんなにフューチャーするきっかけになったのは、当初、司会担当の予定だった熊田くんでした。当日は残念ながら業務のため欠席したんですが、ロゴやポスターまで作ってくれたりしたし、色々と思いは山盛りでしょうから、まずはちょっとお話を。
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●熊田くん談
年度初めに開催されたAZグループのキックオフミーティングで田中さんが定年で退任されると聞いたときに、同じデザイナーの先輩なのに、デザインの話をちゃんと聞いたことがないことは非常にもったいないと感じ、是非お話をサストコで!と思い、その場で声をかけたのが実は開催のきっかけです。色々興味深いことはあるのですが、特に「手引きデザイン」に関して聞いてみたいと目論んでました。
というのも、Macに映し出されるまっ白のドキュメントよりもまっ白の指定紙の方が、自由な表現が出来ていたんじゃないかと思っていまして。今は、Macのツールにたよった制限の中の自由という狭いところでデザインをしているんじゃないかと。昔の雑誌はそんなことを微塵も感じさせない無限の世界を見ているような表現が多いように感じました。
その感覚は、ぼくたちの今のデザイナーに一番足りてない気がしていまして(僕だけかもしれませんが)。なので今を生きるデザイナーが吸収すべき大事なことだと感じ、デザイナーとしてアートディレクターとしてのコロリ(田中さん)の引き出しが見たい!聞きたい!触りたい!と思い、今回の流れとなりました。
そんな、思いを胸にどうやって“コロリ”を表現しようかと画策し、僕が知っている、マガジンハウス&手書きのアレ通(昔の社内報)&フランスという数少ないコロリさんイメージを、手書きのロゴやトリコロールのポスターにこめてみました。
今回は業務の都合上不参加でしたが、次こそは、見たい!聞きたい!触りたい!という思いを胸に込めて。
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オチに微エロを感じたのはさておき、その思いを受けてTシャツまで作ってしまったのが、こちらになります。
次に、司会をしてもらった渡邊くん、コメントお願いします。
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●渡邊くん談
衝撃的だったのは、文字を指定紙上に直書きで例えば「MB101B ○級ベタ組み」と指定した場合、
それは目方で作るものだから、デザイナーの手癖によっては指定紙通りに文字が入りきらない。。とか。
今ではモニターで確認しながら作っていく所を、とりあえず色校とってみましょうという感じで進んでいく。
アバウトなところはアバウトにしつつ、で進んでいく。
それっていうのはそもそも論としてのデザインの根幹がしっかりとしていないと、ぶれたデザイン表現になってしまうんだろうなと思いました。
そして、実例として持ってきて頂いていた表紙のデザインは
どれもこういう事をつたえる為のコンセプトがしっかりと練られていて、
今見ても、とてもいいデザインだなぁーと素直に楽しんでしまっておりました。
まだまだ聞いてみたいところは尽きない感じだったので。
是非、再度会を重ねてもっとディープなお話が聞けると良いなと思いました。
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渡邊くん、サンキュー。
当日は、田中さんがデザインを手がけられた百科事典や雑誌(なんと1970年代のものも!) や、手書きのレイアウト指定紙、当時の色校などなど、デザイナー心をくすぐりまくる貴重な品々を見せていただいたんです。もーみんな、興奮状態。
もう一人の司会、関口くん、コメントをお願いします。
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●関口くん談
田中さんとは初対面というわけではなかったですが、やはり大先輩、緊張していました。でも、どこまでも気さくで気負いのない調子に、逆に気持ちをほぐしていただいたようなところがあります。
ほんとうに大先輩ですからこう言ってしまうのはちょっと恐縮ですが、お話が進むにつれて、まるで同年代の友人とデザインの話をしているかのような高揚感があり、キャリアは違えど、同じものを見て話すというのは非常に「楽しい」し、一方的に教えていただくというよりは、もっとフラットな視点での発見があるなあというのが素直な感想です。
時代が変われば価値観や方法論も変わるはずですが、もっと根本的なところは何も変わらないのだな、ということが一番の気付き/再発見でした。
デザインを制作するなかでの人と人との直接的なかかわり。日頃、そういうことを大切にしていきたいと思って仕事をしています。今回、その思いを新たに、強く持つことができました。
「デザインは楽しい。」
今後もこういうイベントを、知人友人のつながりだけでなく、こういった開かれたかたちで続けていけたらいいなと思います。
…要は、味をしめたってことですね!
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味をしめてもらえて嬉しいです。これからもデザインについての語らいの場を増やしていきましょう。
というわけで、現場からは以上です。
(近いうちに、内容についてのレポートも記事アップしようかなって思ってます)