サストコ
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サストコ

( )津田広志

「常に白紙から始める、先入観をいれない、ゼロポイントからものを考える」
というメッセージを送りたく、なにも書かない状態にしました。(津田)

Q1.4月にコンセントに入社する新入社員へ向けてメッセージをお願いします。
入社おめでとうございます。コンセントにかぎらず、今年入社できた方、おめでとうございます。かりに、今年就職できなかった人も、工夫と運によってはたらける日がくることをこころから願っています。

入社時、いろいろ慣れないこともあると思いますが、かっこう悪くてもいいので、まじめに取り組めばそれが一番だと思います。

かっこうが悪い(かっこうがくずれる)というのは、自分が変化している証拠だと思います。変化しようとする人間は、試行錯誤しますから、やがて「道は開ける」と思います。

Q2.ご自身の新入社員時代のエピソートを教えてください。
一番長く働いている出版社フィルムアート社では、はじめは本の倉庫整理をしていました。それから営業と編集を同時にしながら、じょじょに編集経験を積みました。
決定的な職業意識をもったのは、それから10年後、読者からいろんな感想のたよりをもらうようになってからです。そのとき自分の仕事の意味、「読者の心の成長ために仕事をしている」というごく当たり前のことが、心底わかりました。

Q3.新入社員におすすめしたいこと・ものは?
特に新しい作品ではないですが、個人的によく読んだり、見るものです。

●リチャード・パワーズ『ガラテイア2.2』(小説)
●奈須きのこ『空の境界』(小説)
●ポール・トーマス・アンダーソン『マグノリア』(映画)
●アルモドバル『トーク・トゥー・ハー』(映画)
●犬丸りん『おじゃる丸』(アニメ)

この5点は、プロット(あらすじ、構想)、線、色の使い方など、つくる側から観察するとおもしろすぎます。

たんに見るのではなく、自分なりに、つくる側から「どんなふうにしてつくられているのか」、そこに視点をすえると、クリエイトする力がつくかと思います。

見ながら作る。

Q4.座右の銘を教えてください。
破壊しに、と彼女は言う(Détruire, dit-elle)
マルグリット・デュラス(作家)

(自分のこころの中の「女性性」=「彼女」を使って、「創造的破壊」を行なう。マッチョな破壊ではない。)

津田 広志(つだ・ひろし) 株式会社コンセント 取締役

Hiroshi Tsuda