Naoko Kawachi
Author:
Naoko Kawachi

Think Fashion

2013/06/24 18:54

こんにちは。

広報担当、旅するパーソナルスタイリストの河内チビラーシカです。
さて、6月4日に社内でファッションセミナー「Think Fashion」を開催しました。講師は私。

社内でファッションセミナー「Think Fashion」を開催

パーソナルスタイリストって何?
なんで社内でファッションセミナー?
なぜチビラーシカが?

などなど、不思議に思う方も多いかもしれません。

なぜって、それは、コンセントがコミュニケーションデザインの会社であるからに他ならないのですが、ちょっと噛み砕いてご説明しましょう。

ファッションは編集デザイン

コンセントは「ふつうの人々の、ふだんの情報生活がより豊かで、美しく、創造的なものになること。」という理念を掲げるAZグループに所属しています。そして、コンセントをはじめ、出版2社(フィルムアート社BNN新社)、フラワーショップkusakanmuriは、このグループ理念のもとに企業活動を展開しています。

「ふだんの情報生活がより豊か」になるよう、コンセントは「理解」のデザインをしています。
情報の送り手から受け手に、メッセージが正しく意図通りに伝わるにはどうしたらいいか、膨大な情報をどう扱い表現するか、難解な情報をいかに理解しやすくするか、どうやったら心に響くか、そしていかに継続できるしくみを作るか…。そういうことを考えて、Webサイトやサービス、雑誌、企業広報誌などをデザインしているわけです。そしてそれは編集デザインとも言えます。

ファッションって、編集デザインだと思うのです。
ファッションというと言葉が広くなってしまいますが、「服を着る」「装う」という意味でのファッションです。

みなさん、毎日洋服着ますよね。
何気なく選んでいるその洋服、他の人からはどう見えているでしょう?

自分では特に意識なく着ているとしても、「◯◯さんに似合ってるね」と言われることもあれば、あるいは通勤途中にすれ違った見知らぬ人を見て「あー、なんだか素敵だな」あるいは「金融マンっぽいな」などと、無意識に何か感じとったりすることがあると思います。

そんな風に、意識する・しないに関わらず、装いを通して何かしらの情報をやり取りしているわけです。

「ファッション」というと「私、センスないから…」とか「体型に恵まれてないから…」と苦手意識を持つ人も多かったり、あるいは「おしゃれに興味ない…」といったように無頓着な人もいたりします。

でも、社会生活を送るなかでは、洋服を着てどこかに出かけることは基本的には避けられません。
自分は興味がなくても、自分のことを見ている第三者が存在します。
装うということは、自分一人の問題ではなく、相手のあることなんです。

そんな風に考えると、装いはコミュニケーションツールなんだ、といえると思います。

特に会社生活を送る上では、同僚、上司、顧客…、あるいは社会生活のなかでは、子供の学校の先生、ご近所さん、配偶者の親族…など、さまざまな人との接点があります。

そういうさまざまな相手にどんな人としてうつっているか、うつってしまっているか…。

パーソナルスタイリストの仕事とデザイナーの仕事

ところで、パーソナルスタイリストって何?という話ですが、みなさん、パーソナルスタイリストっていう職業をご存知でしょうか?
ものすごくざっくりいうと、パーソナルスタイリストとは「普通の人のためにファッションコーディネートやワードローブコンサルティング、ショッピング同行などを行なうスタイリスト」です。

個人的にですが、私、いろんな服を着るのが好き、もっとおしゃれになれたらな…といった、極めて俗な理由からこのパーソナルスタイリストの学校にしばらく通って勉強していました。

パーソナルスタイリストの顧客は、通常一般の人です。必ずしもモデル体型の方ばかりではありませんし、むしろ体型に悩みを抱えている場合もあります。
そして、人それぞれに、洋服への価値観や、ライフスタイル、社会的役割は全く異なるため、それぞれにあわせた問題解決やスタイリング提案が必要になります。

また、スタイリングの際には、「トレンドに則っておしゃれに見える」ということよりも「置かれる環境にふさわしく、その人らしいかどうか、またその人の良さが最大限引き出されているか」という観点が大切になってきたりもします。

…と、話せばキリがないのでこの辺にしておきますが、面白いことに、パーソナルスタイリストの仕事のプロセスや提供価値を知れば知るほど、コンセントが普段やっているデザインのプロセスと驚くほど類似していると気づいたのです。

私は広報担当でもあるので、コンセントのみんなが、その人たちらしく、かつコンセントの人らしく、デザイナーらしく、さらにかっこよくあって欲しい!とも思い、ファッション(装い)について社内のみんなと一緒に考えてみたいと思ったわけです。

セミナーの様子

そういうわけでコンセント社内ファッションセミナー「Think Fashion」では、

  • ファッションはコミュニケーションツール
  • ファッションは社会人・ビジネススキル
  • ファッションはパーソナル

という3つのメッセージを込めてお話しするとともに、問題解決であるデザインプロセスとの対比もしてみました。

シツチョーの「伝わるしくみ」図を勝手に拝借してファッションについて説明

パーソナルスタイリングのプロセスは、IA/UXの全体像の図でも説明ができてしまう!

そもそも、社内でファッションセミナーなんてやったとして、人が集まるんだろうか?と若干不安もありましたが、蓋をあけてみれば、平日昼間の開催にも関わらず35名ほど(通常のドーナチュと同じぐらい?)が参加してくれて、案外みんな興味を持っているんだな、ということがわかりました。

業務の合間を縫ってたくさんの人が参加してくれました

そして、「新しい発見があった」「もっと◯◯しようと思った」といった反応もあり、初の試みとしてはなかなか。

…というか、業務時間を使っているだけに、正直「ホッ」としました(汗)。

終了後のアンケートからは、

  • 年齢に見合った服を着たいが、何が似合うか分からない
  • 初歩的なアクセサリーの使い方を知りたい
  • 挑戦してみたいファッションがあってもきっかけがなかなかない
  • 具体的なTIPSも知りたい
  • つい同じような服を買ってしまいがち
  • プレゼンの時にデザイナーらしさが出る格好を知りたい

といったコメントも。

洋服って毎日着るものなのに、洋服の着方を学ぶ機会はなかなかないゆえ、こんなことに困っている人や興味がある人は案外多いような気がします。

というわけで、デザイン会社の広報担当/パーソナルスタイリストという立場から、もっとファッションについて考えてみんなと共有したいし、機会があれば今度はTIPSも含めたもっと実践的な内容でやってみたいと思いました。

この日のスライドはSlideshareで公開してます。