Naoko Kawachi
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Naoko Kawachi

こんにちは。旅するパーソナルスタイリスト、河内チビラーシカです。
何日か前にハワイから帰ってきました。

さて、今日は12月初旬にお邪魔したWACOAL LOVE MODE GALLERYについてご紹介します。
※本記事は、私のパーソナルスタイリスト用ブログに掲載したものを一部抜粋掲載しています。

コンセントおしゃれ行脚の相棒、やすきちからの、男性から見たインナーウェアについてのコメントもあるよー。


いつも仕事で大変お世話になっている、ワコールさんからご招待いただいて、12月6日(金)にWACOAL LOVE MODE GALLERYに行ってきました。

ワコールというと、ブラジャーをはじめとする女性下着ブランドというイメージが最も強いと思いますが、最近ではCW-Xとかクロスウォーカーとか、スポーツウェアタイプのメンズ下着もよく見かけるようになって、進化し続ける老舗、という印象があります。

「生活とアートの融合」をコンセプトに、ギャラリーや雑貨ショップ、レストランなどを展開している、南青山にある複合文化施設「SPIRAL」も、実はワコールのグループ会社による運営ですね。

さて、今回お伺いしたイベント。
商品の展示会かな…ぐらいに思っていたら大間違い!
単に来シーズン商品の展示というのではなく、文化的、アート的な側面の強いものでした。
Beyond下着!下着はモード!という感じ。
だからといって完全なアート作品というわけではなく、春夏コレクションの商品が使われていて、リアルさがあります。

招待ゲストのみのクローズドなイベントなのがもったいないぐらいに、追求度、完成度が高く、展示数は決して多くないものの見ごたえがありました。そして、ランジェリー作品の展示にあわせて、その作品を表現するスウィーツとのコラボレーションもあり、目でも舌でも楽しめるという贅沢仕様。

iPhoneしか持っていなかったのが残念!でも、素敵だったのでご紹介。

Lace is Mode 〜光と影のエレガンス〜

会場を入ってすぐ目に飛び込んできたのがこちら。

モヒートっぽい味の、でも色は薄いピンク色のシャンパンのような、でもノンアルコールという、おしゃれなウェルカムドリンクに気を取られていたせいで、一枚に収めた写真を撮り忘れました…(汗)

黒のマットなマネキンは特注(これに限らず会場にある全てのマネキンがスペシャルオーダーだそう!)。レースの繊細さと大胆さが映えます。

使われているランジェリーは、Trefleのブラとショーツ、STUDIO FIVEのキャミとショーツだそうです。

そして、この作品を表現したのがこちらのスウィーツ。

ランジェリーの色にそれぞれ合わせた、オレンジとピスタチオがのったガトーショコラ。滴るようにかかったチョコレートがちょっと妖艶。

Mode is Stoical or Sexy? 〜禁欲と官能の間に〜

会場入ってすぐに、そのファッション(ランジェリーとジュエリー)が醸しだす華やかな雰囲気を感じて、「わぁ!青山のPRADAでやっていたグレート・ギャッツビー展みたい!」とつい口に出したところ、「グレート・ギャッツビーをテーマにした作品もありますよ」と説明していただいたのがこちら。

映画『華麗なるギャッツビー』は、1920年代のニューヨークを舞台にした作品で、豪華な衣装もとても話題になりましたね。こちらの展示は床いっぱいに大小さまざまなガラス玉が敷き詰められ、映画のなかの煌びやかなダンスシーンを思い出させます。映画のなかではたくさんのヘッドドレスも使われていたけれど、こちらのマネキンもヘアアクセサリーをつけています。黒のレースのランジェリーを身につけたマネキンの表情、メイクも凛としていますね。それにしても、足を組んだマネキンは、足の交差部分の肉の盛り上がりといい、もうとってもリアルで怖いぐらいです!

使われているランジェリーはTrefleのキャミとショーツ、STUDIO FIVEのブラとショーツ。

せっかくなので、初夏に開催されていたPRADAでの展示の写真も載せておきましょう。

青山のPRADAで以前開催されていたグレート・ギャッツビー展

さて、この黒のレースの作品に呼応するスウィーツは、フルーツシャンパンのジュレ。

ジュレで艶やかに輝くフルーツがまるで宝石みたいですね!シュワシュワと弾けるシャンパンジュレとフルーツを最初に少しいただき、その後シャンパンを注いでもらいます。飲み口がシュガーのスノースタイルになっていて、シャンパンを飲み干す最後まで楽しめる計算になっています。

Mode Hunter 〜着ることは挑むこと〜

「アミ」「光」「透け」を効果的に使ったフレッシュで元気さの感じられる肌見せスタイル。

今年の春夏もモダンフューチャリズムやライトな傾向があって、トランスペアレント素材や光物っぽいディテールをよく見かけましたね。来年も、軽さやほどよく肩の力が抜けたようなエフォートレスな空気が続行するようです。だからといってラクちんな格好とか、気楽に肌見せというムードよりは、透ける素材やネットのようなアイテムとあわせて奥行き感が出せると良さそう。

この展示の右のマネキンは、大きめのラインストーンが胸元から腕にかけてあしらわれたビニール素材の上着を着ていてプレイフル!ちなみに、この透明な上着はデザイナーさん自ら作られた1点ものなんですって!WOW!

そしてこの深いピンクのような色も注目(私が個人的に勝手にだけども)!

ちょうど、このイベントの前日か前々日だったか、国際的なカラーのオーソリティであるPantoneから2014年のオフィシャルカラーが「Radiant Orchid」というアナウンスがありました。

完全に同じ色とは言いがたいけれど、Pantoneの発表を受けて、ファッション系のサイトなんかでは、まさにこの展示で使われているような色のアイテムを押しているところもあり、けっこうタイムリー!

使われているランジェリーはどちらも、STUDIO FIVEのブラとショーツ。

スウィーツもご紹介。ポップでキュートなマカロンです。

ラズベリー、ブラックベリー、ゆず、チョコだったかな。

Luxe White Mode 〜一生に一度のモード〜

ウェディング系の展示も2つ!ため息がでちゃうぐらい素敵ですね。

1つ目は、ウェディングドレスのなかを覗くような作品。ブラとショーツが商品なわけですが、ジュエリーやロンググローブ(こちらもデザイナーさん手作り!)、パニエのボーン(ワイヤー)部分(こちらも手作りだそう!)があるせいかイヤラシさが全くなく、露出高いのにとても清純に見えますね。

そして2つ目がこちら。

ミニスリップなのに、オーガンジー(あー、シフォンかなー)のベールと合わせると、途端にミニドレス風に見えてウェディングでも「アリ!」と感じてしまう不思議さ。

使われているランジェリーはTrefleのブラとショーツ、STUDIO FIVEのブラとショーツとスリップ。

ウェディングらしいスウィーツも!

ウェディングブーケに見立てたバタークリームやラズベリージャム、ホワイトチョコ。

最後まで美味しい!

モードとスウィーツの甘い関係

ちょうど、書いたばかりの記事「Prêt-à-Portea: Fashionista’s afternoon tea in London」もそうだけど、ファッションとスウィーツのコラボって、よくよく考えたらけっこうありますね。

何年か前に招待してもらったCELINEのイベントでも、Laduréeのケータリングが入っていたし、ちょっと前に行った六本木ヒルズのLOUIS VUITTONの秋冬コレクションのプレビューイベントでも、シャンパンとケーキのおもてなしだったし。

LOUIS VUITTONでのスウィーツのおもてなし

ランジェリーとモード

そして、LOUIS VUITTONといえば、まさに、ランジェリー!

2013年の秋冬コレクションが、センシュアルで、退廃的なムードも漂わせる、ランジェリーを思わせるようなドレスにマニッシュなコートをあわせたテイストミックスが印象的で、実際に(ケーキを食べながら見ていた)ヴィトンのショップでも、なめらかなスリップドレスにファーを合わせていたり…と、一瞬ドキッとするようなコーディネートも。

優雅さとリラックス感を兼ね備えた、レースが使われたスリップドレスなんかは、もしかしたら来期のトレンドにも合うのかもしれないですね。

この会場からクロークまでの廊下に展示されたボディアート作品も素敵だったし、たくさんのお土産もあって、また最初から最後まで社員の方がアテンドしてくださって、おもてなし感いっぱいのイベントでした。


やすきちです。
チビラーシカも言っている通り、青山スパイラルの経営母体ってワコールさんなんですよね。
これ僕は恥ずかしながら最近知りました。

エントランス付近のスペースに、僕がデザインを担当している雑誌『Tarzan』ではすっかりお馴染みの機能性タイツ「CW-X」の常設ブースがあり、気になって調べたら判明したわけです。

インナーウエアと言えども、ファッションブランドが街に溶け込んで、ファッションのみならず、アートやカルチャーと融合させたカタチで、ライフスタイルを提案していくっていう、かつてからパルコ(ファッションブランドではないですが……)が先駆的に行ってきたような形態は、もはやスタンダードになっているような気がします。

そういう観点で、今回の展示を見ると、繊細な表現はもちろんですが、作品の世界観を表現しているスイーツとのコラボレーションが個人的には興味深いです。

ワコールさんの「AMPHI」というラインのイベントで、知人のお菓子作家micarina(http://www.micarina.jp/)がコラボアイシングクッキーを制作していたのを思い出しました。

ところで、ファッションアイテムの1つとしてインナーウエアを捉えてみると、男の人は楽しむ範囲がとても狭いように感じます。

近年ではショートパンツにレギンスやタイツを合わせるコーディネートは一般化してきているように思えますが、それでも女の人のそれに比べたらやはり狭いですよね。

ショートパンツにレギンスといえば、エロ編青木さん by チビラーシカ

特集のロケの時もショートパンツにグリーンのボーダーのレギンス

ブルーと白のボーダーレギンスの日も。他にも星柄とかも持ってたような…。

余談ですが、元メジャーリーガーの新庄剛志さんは毎日新品のパンツを穿き、一度穿いたら捨ててしまうそうです。
(信じるか信じないかはあなた次第です!)

女の人は気分を纏うという目的のほかに、その上に着るアイテムの素材や色や形状に左右される機能的な面との兼ね合いもあるんでしょうねきっと。

チビラーシカそのあたりどう?


わぁ!!またボールが戻ってきた!
チビラーシカです。

まさにそうですよ!!着る服によってこの下着はOK、これはダメ!ってことがありますね。

洋服の生地の厚さや色、襟ぐりや背中の空き具合などから、刺繍やレースがゴージャスな下着やダークカラーの下着だと洋服に響いてしまうから着れないとか、そもそも下着が見えてしまうから着れないとか。

そういうわけで、翌日着る服をなんとなく思い浮かべておかないと、お風呂上がりにどのショーツにしようかなー、というのが決めれないこともしばしば。下着も上下を揃えて着ることが多いので、洋服に影響が出るのがブラだけだとしても、セットになっているショーツは履けなくなるというわけですね。

あとは、洋服をきれいに着るために下着が大事、というのもあります。サイズの合っていない下着だと、スタイルが悪く見えてしまうこともあるので。

このLOVE MODE GALLERYの展示の後、来春の新商品がズラーッと並ぶプレスルーム的なところでガーターベルト(靴下止め)のセットアップも見てきましたが、これも、夏にストッキングを履かなければいけないような時には涼しそうで機能面でもデザイン的にもよさそうです。実は一度もガーターベルトを身に付けたことがないので、来年はチャレンジしてみようかなーなんて思いながら帰ってきました。

下着ってとてもプライベートなものなので、大々的に誰かと話をすることもなかなかなく、案外いろんなことを知らないなーと思うのですが、ワコールさんのサイトには面白いコンテンツもいっぱいあるので、参考にしてみるのもいいかもしれませんね。

ワコール

それから、前述のワコールさんのボディアート作品の方はウェブサイトでも見れるので、こちらもぜひ見てみてください。2014年のワコールカレンダー用の作品のようですが、メイキングを見ることができますよ。

⇒ ワコール2014 Calendar