Naoko Kawachi
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Naoko Kawachi

こんにちは。旅するパーソナルスタイリスト、河内チビラーシカです。

IA Summitに出席するためサンディエゴに行っていましたが、ついでにニューヨークにも寄り道して、先日帰ってきました。

さて、そんな感じでバタバタしていたのですっかり遅くなってしまいましたが(言い訳)、今日はプチ世界行脚ということで、3月中旬にアートディレクター関口くんの登壇同行で行ってきた静岡県浜松市の様子をご紹介。

いきさつ

3月15日に、DORP INSPIRATION 2014「地方から紐解くデザイナーのこれから」というイベントが浜松市で開催されました。

DORP(Designer Open Resource Project)は、浜松市にゆかりのあるデザイナーたちに焦点をあて、デザイナー同士の交流や企業とのマッチング、イベントの開催などを通じて、デザイナーの共感や共有の場を創造していくプロジェクトなのですが、この実行委員会を率いているのが、関口くんの大学時代の同期の鈴木力哉くん

今回のイベントでは「静岡文化芸術大学出身者が語る大学の4年」というトークセッションが企画されていて、関口くんはその大学出身者として呼ばれて登壇したわけです。そして、小学校6年〜高校3年までを浜松で過ごした私にとっても浜松は地元ということで広報同行でついていきました。

経費で実家に帰れてラッキー♪
あ、いや、出張宿泊費を浮かすために実家に泊まったとも言う。
(物は言いよう)

レトロなかわいい会場

イベント当日は朝から快晴。とても気持ちのいい天気でした。

「会場は鴨江アートセンターです」と事前に聞いた時にまったくもってピンとこなかったのですが、行ってみたら何やらちょっとオシャレ。

鴨江アートセンター
http://kamoeartcenter.org/

鴨江アートセンター(旧名:鴨江別館)は浜松駅から徒歩15分ほどの場所にあります。昭和3年に完成した歴史的建物を利用し「21世紀の新しい創造都市浜松の実現をめざして」設置され、アートと地域を結ぶ創造的な活動の場として機能しているそうです。

エントランスを入るとすぐに大きな円柱が目に飛び込んできます。

階段も重厚。そしてどこか懐かしい感じ。

木のぬくもりが優しく、そして日差しがたっぷりと入ってくる控え室。
関口くんをアー写的に。

イベント会場も広い。

どのフロアも天井がとても高かったです。

ちなみに鴨江アートセンターの向かいには、映画監督で脚本家の木下惠介氏にまつわる記念館もあり、近世スパニッシュ様式のこちらの建物は浜松市指定有形文化財となっています。

(控え室から窓越しに撮影しました)

「やらまいか」の街にできた芸術大学

最初のセッションが「静岡文化芸術大学出身者が語る大学の4年」というものだったので、大学生がたくさん聞きにきているかと思いましたが、「在学生の方いらっしゃいますか?」との関口くんの問い掛けに手が挙がったのは来場者のうち約2割ほど。ほとんどの参加者は企業に属しているデザイナーやデベロッパー、フリーランサーのようでした。私が話しかけた隣に座っていた女性たちも、アプリのUI中心に携わっているデザイナー、イラストレーターとしてちょうど独立しようとしている方でした。

静岡文化芸術大学は2000年設立と新しく、私が浜松に住んでいた時にはまだありませんでした。

トークセッションの登壇者の一人が「浜松といえばアクトタワーぐらいで、松菱(デパート)はもうなかったし、クリエイティブシーンのイメージもなかった」と言っていましたが、私のイメージもまさにそんな感じ。浜松の最盛期は私が中高生の頃だったんじゃないかと感じます。中高生の時にはあった松菱、西武、丸井といったデパートが相次いで閉店し、駅前周辺のいわゆる「街」と呼ばれているエリアがなんだかとても寂しくなった時期がありました。「大学ができたのは再開発が盛んになった頃で、街全体ががらんどうな箱みたいで、”これから”だ」と当時の関口くんは感じたそうです。

 

そして文化政策学部と空間・プロダクトデザインを扱う学部の両方を持つこの大学に在籍している間、実際に、行政や町の工場の社長さんに話を持ちかけて、きちんと対価をもらってデザインしたりもしていたとのこと。社会へのコミットということも強く意識していたそうです。

浜松はもともと製造業、モノづくりの町としても知られています。ヤマハ、ローランド、スズキ、ホンダ、浜松ホトニクスといった多くの企業があります。そして浜松の人たちの間には「やらまいか」の精神があります。これは「やってやろうぜ!」というような気質で、浜松に根付く、製造業 ×「やらまいか」精神は、起業家を生みやすいとも言われています。そういう土地に芸術大学ができる意味はかなり大きいのかも。デザイン力や思考を持った学生たちが主体的に社会と関わりを持っていけば、これまで浜松を代表してきたメーカーをも超える、何か新しい発展にもつながっていくのかもしれません。

実際、関口くんによると「いま浜松では、雑居ビルを有効活用した「カギヤビル」を中心としたカルチャーシーンが盛り上がっています。この流れが大きくなり、メーカーや中小企業、街づくりに影響を与えるようになってくると、より一層面白くなりそう。」とのこと。

イベント終了後には、近くのお店で懇親会も。

Let’s浜松観光

「浜松が地元」と言うのに躊躇するほど、実は私は浜松のことを全然知らない…(汗)
というわけで、翌日は浜松観光に出かけてみました。

いや、一人だったら絶対に出かけていなかったと思うのですが、イベントの後半セッションに登壇されていたCSS Niteでおなじみの株式会社スイッチの鷹野雅弘さん、株式会社アンティー・ファクトリーの中川直樹さんと合流させてもらえることになったので。

ちなみに中川さんも浜松のご出身で、古くからのご友人も紹介していただいて、ステキな出会いになりました。

実は、金曜日の前泊の時からこのメンバーでご一緒させてもらったのですが、その大人の遊びぶりに感動するばかり。そしてこの日も中川さんのすばらしいプランニングにより超充実。

まずは朝、車で迎えに来てもらったのですが、この車がすごい!
あまりにすごすぎる車ゆえ、車名も念のため伏せておこう…。

車を飛ばして三ヶ日方面へ。

浜松といえばウナギ。そしてウナギといえば「勝美」らしいです。

うなぎ処 勝美
http://www.hamanako-katsumi.co.jp/

うなぎのオブジェがお出迎え。

浜名湖と猪鼻湖の間にかかる新瀬戸橋という赤い橋のすぐそばにあります。

お座敷からの眺めもステキ。

キモに、白焼きに、うな重に…。

うな重は一番小さいサイズを頼んだと思うけど、それでもこのボリューム。
これまで私のなかではウナギといえば、実家の近所ということもあって「かねりん」だったのですが、これからは「勝美」です。「勝美」以外のウナギはウナギではないのかもしれません(謎)

すっかりお腹いっぱいになったあとは、レイクサイドをドライブ。
浜名湖ってこんなきれいだったっけ?まるでリゾートじゃん!
と、新たに発見することもたくさん…。

そのうち住宅街へ。
そして突如として現れたのが、カネツ杉浦商店。

舞阪、弁天島の海産物を扱っているというお店とのこと。
「絶対にここでシラスを買った方がいい!」と中川さん絶賛のお店です。

「こんなにいっぱいのシラス見たこと無い!」というぐらいの量が入ったシラスの袋と、これまた名産だという海苔をお土産に買いました。肝心の写真は撮り忘れた…。気になる方はぜひ買いにいってください!(雑…)

お土産を無事に購入したあとは、一路浜松駅方向へ。
浜松には浜松城という城があるのです。そこに行ってみることに。

浜松城
http://www.hamamatsu-navi.jp/shiro/

浜松城は多分小学校の遠足とかで行くような場所だと思うのですが、実は私行ったことがなかった。記憶にないだけで実は行ったことあるんじゃないの?とうっすら思いつつ、実際に現地に行ってみた結果、やはり見知らぬ風景で、本当に初体験!

日本庭園なんかもあるんですねー。

浜松城は歴代城主の多くが江戸幕府の重役に出生したことから「出世城」とも呼ばれています。

天守閣からは、中川さんの出身校である浜松北高と、そのすぐお隣にある私の出身校である浜松市立高校が見えました。遠いけど…。しかも手前の金網にフォーカスがあたってるけど…。

縁起のいい場所を訪れたところで観光はおしまい。

さいごに

静岡県は暖かい気候ゆえ、その県民性は一般的に万事のんびりしていてお人好し、おっとりした人が多いと言われています。また、浜松も、大らかでよそ者を受け入れる文化でもあると聞きます。私が通っていた小学校は、ヤマハなどの地元の大企業の人事異動に伴う転校が多く、1年間で300人程度の転入生、転校生があったと記憶しています。それだけ出入りが激しく、他の地域からよそ者が入ってくる状況でも居心地のいい環境を維持できるというのはすごいことだなと、些細な体験からも感じます。

転校・引越しを繰り返すなかで暮らした場所の一つとはいえ、東京に次いで長く暮らした場所でもあり、「生まれ育った」とは言えなくても私にとってはやはり地元と呼びたい街。

その浜松でこういうイベントが開催されたということや、大学時代を過ごした関口くんがそこでお話する機会を得たということはとても嬉しいことです。DORPをはじめとするこうしたイベントや、勉強会や交流会はぜひこれからも活発に続けて欲しいです。

そして、関口くんの言葉を借りると「時代は”think global, act local”から”think local, act global”へ移り変わっています。地方都市が地方でなくなるときも近いかもしれません。」

モノづくりの街だからこそ、浜松がデザインの力でより発展していくといいなと思います。

それからみなさん、本当に美味しいものと素晴らしい眺めを持った浜松、ぜひ行ってみてください。マリンスポーツも盛んでいいスポットがたくさんありそうですよ。これからの時期、オススメです!

今回はたまたま浜松だったけど、コンセントのメンバーの地元やゆかりの地で、こういうイベントをどんどんできたらいいなーとも思った旅(!?)でした。