Naoko Kawachi
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Naoko Kawachi

こんにちは。旅するパーソナルスタイリスト、河内チビラーシカです。
From Editorsに書くのは久しぶりな気がしますねぇ。

さて今日は、8月7日に開催された「Pinterest Design Night Tokyo」のことを書こうかなと思います。

Pinterestといえば、アレですね。
http://www.pinterest.com

大ファンという方も多いでしょう。私もその一人です!

サービス名を聞いてピンとこくても、このロゴには「あー、見たことあるー」となる方が多いのではないでしょうか?

さて、このイベントはタイトルからも分かる通り、Pinterestのイベントです。
Pinterestの共同創業者でChief Creative OfficerのEvan Sharp氏と、ブランドマネージャーであるEverett Katigbak氏の来日に合わせて企画、開催されたものです。

ピンタレスト・ジャパンさんとは4月にも「Pinterest meets Concent」というイベントをご一緒させていただきましたが、それがご縁で今回のイベントのスペシャルゲストとしてはせがわさんを呼んでいただきました。また、その4月のイベントの時に強い印象を残したようで、デザイナーのトールくんにも登壇のご指名が。

…というわけで、光栄なことに今回の「Pinterest Design Night Tokyo」でもまたご一緒させていただくことになったのです。

イベントそのものはあまり改まった感じではなく、できればカジュアルでフレンドリーな会として開催し、東京のデザインコミュニティと交流したいとEvanたちからリクエストがあったので、メインのトークセッションもパネルディスカッションではなく「Fireside Chat」(※)としていくことになりました。

※ Fireside Chatは、読んで字のごとくキャンプファイヤーなどで火を囲んでおしゃべりするような、そういうものを指すようですよ。

Pinterestチームがコンセントに来た!

おしゃべりとは言っても、全くノープランで臨むというわけではありません。(そりゃ、そうか)

こんな話ができたら面白いのではないかというトピックリストを事前にメールベースで共有し、イベントの前日には顔合わせを兼ねたミーティングを行いました。せっかくの来日中ということもあり、東京のデザイン会社のオフィスをぜひ訪問したいというご要望もあったので、ミーティングはコンセントで行うことに。

Evan、Everett、インターナショナルコミュニケーション担当のMithya、そしてピンタレスト・ジャパン代表の定国さんに来ていただきました。

激しく忙しい合間をぬってのミーティングで時間もなかったので、ミーティングは英語で行うことにし、前述のトピックリストをある程度の指針にして進行しました。

ちなみに、トピックのなかにどんなものがあったかというと…、

  • デザインの重要性が高まるなか、デザイナーにはもっといろんなことができそう。どんなことができるだろうか。どんな課題があるか。
  • デザイン観点でみたときに、組織内の文化などでアメリカと日本での違いやそれぞれの得意・不得意、独特な環境はあるだろうか。それらについての課題は?課題があるとして、それを乗り越えるための具体的な取り組みがあるか。
  • デザイナーとエンジニアはどんな風に効果的にコラボレーションできるか。
  • ビジュアルベースのコミュニケーションが盛んな昨今、特にブラウジングということについてどんな方向に向かっているだろうか。またそれに関する課題やチャレンジはあるか、それらをどう克服できるだろうか。

などなど…。

1つだけに絞ってしゃべっても優に一時間は越えてしまいそうな、どれもこれもが興味深いトピック。

この日のミーティングではお互いの自己紹介や、ピンタレスト、コンセントがそれぞれやっている仕事の紹介などの流れから、社会におけるデザインの役割、事業推進におけるデザイナの役割、PinterestのUXとブランディングといったところに自然と話がおよんでいきました。

なんとなく予感はしていたものの、ミーティング時間をすっかりオーバー。

ミーティングついでにオフィスフロアや、コンセントのグループ会社で運営しているamu(イベントスペース)やkusakanmuri(フラワーショップ)へのご案内も組み込んでいたのですが、オフィスフロアだけさらっとご覧いただくだけになってしまいました。それでも、EverettはOculus Riftも体験したり、みんなで写真撮ったり…。

ミーティングのためPinterestチームがコンセントオフィスに来た

前列左からシホちゃん、チビラーシカ。後列左からPinterestの共同創業者でCCOのEvan Sharp氏、はせがわさん、トールくん、PinterestのブランドマネージャーKatigbak氏、ピンタレストジャパンの定国社長

Pinterestらしさいっぱいの空間づくり

Pinterest Design Night Tokyo当日。表参道にあるイベントスペースにコンセントメンバーが会場入りしたときにはまさに会場準備の真っ最中!
しかし、真っ先に目に飛び込んできたのが、Pinterestを象徴するまさにGrid UIを彷彿とさせる窓枠。
Grid UIのような窓枠

そして、メッセージという新機能追加の発表に合わせてかこんな大きなパネルも。
PinterestのUIそのままのパネル

手書きチョークのデザインがかわいいボード。

一口サイズのケータリングもキュート。
Pretty finger food

ケータリング用のトレイも手抜きなし!
ケータリング用のトレイにもPin it

ケータリングフードをPinしてね!とメッセージが伝わってくるようなピックが刺さっていたり…と、あちこちにPinterestらしさが埋め込まれています。
Pin it! ピック

また、会場の一角にはビンテージ雑誌などを素材にしたコラージュのアクティビティエリアも設けられていて、イベントが始まるまでの間や懇親会の最中などに、みなさん思い思いにコラージュを楽しんでいました。

やり始めるとついつい夢中になってしまう様子。

ドレスコードが赤と聞いて、一旦帰宅して赤いシャツに着替えてきたマリオもコラージュにトライ

シホちゃんも楽しそうにコラージュ

できあがったコラージュは窓に貼ってリアルピン!

コラージュを窓にPin!

イベント会場がいい意味でコンパクトで参加者同士の距離が近く、またPinterestチームもとてもフレンドリーでみんなの輪のなかに常にいるのが印象的でした。

みんなの輪に入るEverett

そしてプロフェッショナルらしさは残しつつも手作り感があるというところに温かみがあって、どこかとても人間らしさを感じます。

ドレスコードは赤

そうそう、このイベントではPinterestカラーに合わせて、ドレスコードが「something red」と設定されていました。実は、当日になって連絡を受けたので、「うわーっ!はせがわさんとトールくんの衣装準備が!!」と焦りましたが、はせがわさんはアンカー柄の赤いシャツ、トールくんも赤いハーフパンツを履いていて、私もたまたま「今日はPinterestのイベントだしな…」と、黒ドットの入った赤いニットを着ていたのでクリアー!(ふぅ)せっかくなので、イベントが盛り上がるといいなと、私は赤いハットも追加しときましたw

Fireside Chat(トークセッション)

イベントは、ピンタレストジャパンの定国さんからの挨拶にはじまり、

つづいてEvanから、Pinterestの開発ストーリー、ビジョン、そしてリリースされたばかりのメッセージ機能の紹介がありました。

PinterestがほかのSNSや画像共有系サービスと違う大きな点は、過去の共有ではなく、未来への発見だというところ。

楽しかった何かを友達や誰かと共有するということではなく(もちろん、そういう使い方もあるとはいえ)、まだよくわからない漠然とした何かを探し、それが将来、自分が何かするときに役立つように、つまり何かを実現するために使うことができる、そういう支援ツールだということ。

数百万人、数千万人のユーザーが、自分の興味にそって自分なりのプロジェクトを実現するためにオブジェクト(画像)を整理している。そこにはきっとユーザー数以上のストーリーがあるのだろうし、未来に向かって着々と物事が進んでいる感じがする。そして、Pinterestはある意味では学習支援とも言えるかもしれず、なんだかとても壮大な未来を感じさせてくれる、そんなような気が個人的にしています。

続くFireside Chatでもブラウジングという話が出たときに、はせがわさんが「レコメンドというのがブラウジングに変わる新しい方法としてある一方、アルゴリズム依存する側面があったりする。(中略)目的に応じてどうブラウジングさせるのかは大変難しく、結局は人の手でチューニングしているところもある。」というようなことを言っていたり、また、Evanも「Pinterestは人間がインデックスを作っている」というコメントもありました。

またGrid UIの開発ストーリーでは、当時それを実現するためのコーディングが難しかったという背景から、現在のPinterestの企業文化にもなっているデザイナーとエンジニアのknittingが生まれたという話もありました。

両方の話から私が感じたことは、Pinterestそのものはマシンと人間のknittingなんじゃないかなということ。

「人」の「手作り感」が感じられるような良さが随所に感じられたこのイベントに、とてもPinterestらしいと感じたのは、そのせいなのかも!?

ほかにも、Pinterestがピンボードにピンするというメタファーを取り入れながら、情報や物事を空間的に捉えている、という話が出てきたときには、トールくんも、最近扱うことが多い全天球動画などを引き合いに出しながら情報の物理的な体験ということについて言及していたりもしました。

そして、ウェアラブルデバイスにも話は及び…。ウェアラブルデバイスどころかネックレスや時計でさえも身につけるのが苦手というEverettからはフィジカルなものとデジタルなものとがつながっていくのは面白いという話も。

Everettの両うでには美しいタトゥが入っているのですが、アクセサリーなど身につけるものが苦手という話を聞いて「あー、なるほど、だからタトゥなのね」と妙な納得感を得ました。

それにしても、やはり、事前ミーティングで話していたことはどこへ行ってしまったのか!(笑)

当日のFireside Chatは、もちろんこれはこれで興味深かったけれど、前日のミーティングも公開したら面白かったかも。録音しておかなかったことが悔やまれます…。

Fireside Chatでは、直接的なビジュアルデザインの話というより、少し概念的な話も多かったので、もしかしたら話についていくのが難しいと感じた人もいたかもしれません。

でも、Pinterestというサービスについて共同創業者やブランドマネージャーから直接の話を聞けたことや、また会場そのものや、備品一つひとつからPinterestらしさを感じられたことは参加者みんなにとって貴重な経験になったに違いありません。

イベントの最後に記念写真

ポスター

イベント終了後、参加者の多くが会場を後にした頃になって、「配布するの忘れてたー」といって、ポスターが配られていました。箔押しの凝ったデザインのポスターで、しかもサンフランシスコからわざわざ持ってきてくれたものだそうです。

Pinterest poster

とてもかわいいので会社に貼るといいかなーと思って、コンセントのメンバーもいただいてきました。

Pinterest poster

ありがとうございます!

4月のイベントもそうですが、デザインについて語ったり、デザイナー同士で交流を深めたりするイベントは、直接的に業務の役に立つわけではないとしても、日々の仕事の刺激にもなるし、いいですね。コンセントでもどんどん開催したいと思います!