2013/08/19 22:42
こんにちは。あまりの暑さに仕事しながらのアイスがやめられない、デザイナー筒井です。
まだ涼しかった7月の末、「Pictathon」というイベントに参加してきたので、今日はそのレポートをお届けします!
プログラマたちが1日とかの短期間でソフトフェアを開発しちゃうイベント、ハッカソン(Hack+Marathon)からヒントを得て、プランナーのカズワタベさん、『たのしいインフォグラフィック入門(BNN新社・刊)』著者であり、ブログ「ビジュアルシンキング」主宰である櫻田潤さんのお2人が主催されたピクトグラムのイベントです。ピクタソン(Pictgram+Marathon)の名の通り、デザイナーたちはその場で出された「お題」に対して、最短30分、長くても1時間程度でピクトグラムを作成。かつ、待ち時間にはビール片手に参加者同士でピクトグラム談義までできちゃうというステキ仕様。イベントでは練習問題→予選→決勝とバトルが行われ、優勝商品であるiPad miniをかけて火花を散らします。
以下のピクトグラムを作成してみてください。
……アイデアが浮かびましたか?
それぞれ上から、練習問題、予選、決勝で出題されたお題でした。
比較的なじみのあるテーマとはいえ、いざコレを30~45分で作るとなるとなかなか大変。
決勝戦以外は手書きで仕上げることがルールでもあったため、終了5分前ともなると血相を変えたデザイナーたちが黙って鉛筆を走らせる音が会場に響き渡ります。
決勝戦のなんかもう、なんと意地の悪い(!)手応えのあるお題なんでしょう!
……とまあ、出題者を恨めしく思いつつもなんとか時間内に完成。
決勝戦では得票数同じで2人が並び、追加投票をしても決着がつかず。最後はじゃんけん決戦に持ち込まれ、結果なんと私が、同時優勝&iPadminiゲットしました。わーい!
ピクトグラムが面白いのは、モチーフ選びがとても重要なところだと思います。たとえ普段イラストなんて描いたことのない人であっても、モチーフ選びが的確だったら、上手な絵よりもピクトグラムとしては「良い」モノになりえる訳で…。
「上手いなー!」と思わず関心してしまうモチーフがたくさん出て来て刺激になりました。
また、使われる条件を細かく想定せずにピクトグラムを作る、という経験も新鮮でした。たとえば「水族館/美術館/動物園」のお題が出たとき、主催者の方からはこう説明がありました。「魚を描くだけだと、水族館じゃなくて魚のアイコンにしかならない。動物園も、ただ動物を描くだけだと動物のアイコンになってしまう。そこをどう表現するのかがポイントです」。
でも、このアイコンがたとえば「夏休みのオススメスポット」を特集した雑誌やウェブサイト、アプリなどで使われるものだとしたらどうでしょうか?
あらかじめ「このアイコンは、施設の種類を表しているんだな」と分かった上で見るとしたら?
むしろ魚だけといった、シンプルなモチーフの方が適しているかもしれません。
クライアントワークの場合は、「受け手が既に分かっている情報」もコミでモチーフを選ぶことの方が多い気がします。「使われる文脈」×「アイコンの合わせ技」を使うことに慣れすぎていたというか……。
そういう意味でも、「予備知識ゼロ状態で『動物園』だと分かるようにするために、必要な最低限のモチーフはなんだろう?」と頭を切り替えてアイコンを作るのは、とても新鮮で楽しいものでした。
実際にどんなピクトグラムをデザインしたかは、櫻田潤さんのブログ「ビジュアルシンキング」でのレポートで取り上げられているので、そちらもぜひご覧ください。
⇒ ピクタソン イベントレポート
http://www.visualthinking.jp/archives/16128
たった1時間足らず、鉛筆と白い紙を前にして、ピクトグラムを考えてみる。それだけで普段の仕事で無意識にやっていたことを、見つめ直す良い機会になったと思います。
しかも昼間っからお酒飲んでピザ食べて、いろんなバックグラウンドを持つ他の参加者さんとデザイン談義をして、幸運なことに賞品までゲット!してしまうという、なんとも嬉しい1日となりました。
今回始まったばかりのイベント、ピクタソン。デザインに関する知識を得るだけなら本やウェブサイトでも簡単にできますが、あえてひとつの場に集まって、わいわいがやがやデザインを楽しむのって、なんだかとても気持ちがよかった。
興味をもたれた方、第2回にぜひ参加してみてください。第2回は秋頃開催予定だそうですよー!
【関連情報】
ピクタソン公式サイト
http://pictathon.org/
ピクタソン イベントレポート
http://www.visualthinking.jp/archives/16128
『たのしい インフォグラフィック入門』(櫻田潤・著/BNN新社・刊)
http://www.bnn.co.jp/books/title_index/design/post_197.html