サストコ
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サストコ


花王株式会社デジタルマーケティングセンター コミュニケーション技術室に所属する後藤亮様と田中剛様にインタビューをさせていただいた、9月30日公開の特集「ビジョンの実現に向かって〜花王AEM導入プロジェクト〜」。

AEM導入プロジェクトにおいて、パートナー会社としてコンセントを選んでいただいた理由をお聞きしてみたので、こちらでちらっとご紹介します。

後藤様と田中様のインタビュー記事本編はこちらから!
<ビジネス×デザイン Vol.3>「ビジョンの実現に向かって〜花王AEM導入プロジェクト〜」

お話をうかがった方:

後藤 亮 様(花王株式会社 デジタルマーケティングセンター コミュニケーション技術室 室長)


田中 剛 様(花王株式会社 デジタルマーケティングセンター コミュニケーション技術室 マネージャー)

 


— 今回のプロジェクトのパートナー会社としてコンセントを選んでくださった理由を教えてください。

田中 様 やっぱり情報アーキテクチャ(IA)やユーザー体験デザイン(UXデザイン)の知見がかなりあるからですね。
デジタルマーケティングもそうですけど、今回のAEM(Adobe Experience Manager)のようなツールの導入やユーザビリティとかを考えていくのに、IAやUXの考え方を理解している会社さんじゃないとなって。

「格好いいデザインができます」っていう会社さんはいっぱいいると思うんですよね。コンセントさんのデザイナーの人たちからも「もっとこういうデザインしたい」っていう意見は出てくるとは思ったんですけど、「このUXで、こういう考え方に基づいてやっているから、ここはそぎ取らないと駄目だよね」って言ったら、たぶん納得してやってくれると思ったんです。そういうのを理解していないと、「なんか花王さんがシンプルにしてくれって言ってるんだけど」って納得してもらえないんじゃないかなって。

今回はつくり方を含めてかなりドラスティックに変える話で、もしかしたら制作会社さんにとってはあまり嬉しくない発言もしなきゃいけないだろうなっていうのがあって。最初に「全体をこういう設計にしたい」と思ったときに、コンセントさんだったら長谷川さんを筆頭にそういうことをわかっている人がいるのでやってもらえるかなと。おだてるわけじゃないけど、実際頼んでみて正解だったとこは多々あります。今回のシステムの名前自体を「KANAI」※にしたぐらいですからね(笑)。
※「KANAI」…「Kao Adjustable Natural Authoring Interface」の略。花王のWebサイト制作のため、独自に開発されたパーツ類やテンプレート、デザインルールの総称。自動的にレスポンシブWebデザインで実装される。コンセントのプロジェクトメンバーの一人、家内信好の名字にかけている。

— ガイドラインに「KANAI」とあるのを拝見しました(笑)。

後藤 様 トレーニングのときに、参加者から質問で「“KANAI”なんですけど…」って言われて、会場にいたコンセントの家内さんがびくっとしてた(笑)。

田中 様 今回のプロジェクトの講演をやるかもしれないなと考えたときに、「システム名は○○です」ババーンって出したかったんですよね。それでみんなで名称を考えている中で「家内…、KANAI? いいじゃん」って(笑)。基礎設計のときに、家内さんも制作現場の視点からいろいろ意見してくれたんですよ。「デザイナーは“こうしたい”って言ってくるかもしれない」とか。で、俺が「いや、もっとドラスティックに変えたいから、そうならない方向にしたい」って今回のポリシーと変わらないように摺り合わせていって。

そのときも話したけど、Webサイトの成り立ちからして、最初はシンプルなインデックスページから、だんだんいろいろできるようになってきて、CSS(Cascading Style Sheetsの略。Webサイトのスタイルを指定するための言語)が出てきた後から雑誌のエディトリアルデザインのような「クールでタイポなデザイン」にいかに近づけるかっていう時代があって。その考えはそれまではもちろん合ってたんですよ。でも20年近く経ってスマホが出て、サイトもツールになって特性が変わってきているんで、設計を考え直さないといけないんじゃないかなと僕は思ってて。

PCサイトはつくらずに最初からスマホのサービスから始めた会社さんや欧米企業でうまくできてるWebサイトって、かなりシンプルになってきていますよね。IAで考えたら、周りのサイトがシンプルになっているのにうちのサイトだけ特殊っておかしいじゃないですか。

だからかなりの割り切りが必要で、「いや、そういうデザインはできません。だってモバイルファーストじゃないですよね」っていうことをわかってもらわなきゃいけない。それをやるにあたって言い方は悪いですけど、コンセントさんだったら都合がいいだろうなと思ったんです。
(終わり)

取材:2016年6月
聞き手:岩楯 ユカ河内 尚子

 


特集記事にご協力いただいた後藤様、田中様に心から感謝しています! 撮影にあたっては、サストコ編集部のヤンチャなwお願いにまでお応えくださったお二人。本編「ビジョンの実現に向かって〜花王AEM導入プロジェクト〜」には、実はちょっとしたしかけがあり、その「お願い」の内容がわかります。
ナゾは夜中の12時に解けるはず…!