2014/01/10 12:33
突然ですが、なんとサストコを本にしてみましたー!
中身は、2013年7月公開の特集『人間の中にある「編集デザイン」』。
インタビューさせていただいた、創業役員の鈴木誠一郎さんへのお礼の品としてつくりました。
こちらがWeb版のサストコ特集『人間の中にある「編集デザイン」』。
今日はこの本について書きますー。
「インタビュー協力のお礼に、Webコンテンツを本にして贈りたい」
取材当日に鈴木さんの考え方や体験談などいろんなお話をお聞かせくださったのをはじめ、プレ取材に3時間お付き合いいただいたり、撮影でもADやすきちのデザインコンセプトに沿ったアイデアをくださったり。原稿校正では「あ、そういう視点が大事なんだ」と表現の大切さを学ばせていただいたり。
そんな鈴木さんに、なにかお礼がしたい。
コンセントの前身となる会社を創業し、40年にわたり「編集デザイン」に向き合ってこられた方。
深い知識のベースにある、お読みになられた本の数は計り知れない。
あらたな発見があるかも、とインタビューを楽しみにしてくださっていた。
もし発見があったら。思考が整理できたと思ってくださっていたら。
インタビューを本にしてお渡ししたら喜んでくださるかも。
そう思いついたのが、この贈呈本をつくったきっかけです。
本にして贈りたいなーと考えついたものの、ぶっちゃけ、最初は外部の会社に依頼して作ってもらおうと思ってました。だって私、自分じゃ本を作れないし。。。
まずは、「私一人でやった特集ではないし、サストコ編集メンバーに話して参加者も募ろう」と、河内チビラーシカちゃん、エロ編 青木さん、ADやすきちに相談メールを送ったところ…!
と、ありがたくって力強い返信が!
さらに、
おお!!! 装丁家とな?! 麻由美さん、素敵ー!!!!!
早速、麻由美さんにご相談したところ、
「少しでも素敵な贈り物になりますようお手伝いをさせて頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします」
と快諾のお言葉をいただきました!
デザインはやすきちがやってくれるし、製本を麻由美さんにやっていただけたら、コンセントメンバーでつくる愛情たっぷりな本ができてきっと鈴木さんは喜んでくださるに違いない。
素敵な本になりそう。
今回、麻由美さんには相談から完成まで、ほんっとーに本当にお世話になりました!!
手作り本をつくるのは初めての私たちに、丁寧な説明とたくさんのアドバイス。
見返しや花布といった造本に必要なパーツの説明から、紙の目や強度などのお話まで。
見本も見せていただきながらの打ち合わせはわかりやすかったです。
やすきちが表紙のデザイン案をつくってくれ、表紙や本文に使いたい素材のイメージを伝えると、それぞれいくつか候補を選定してくださる。それに面付や印刷のアドバイスも。
こうしたアドバイスの数々はとても助かるし、あらためて本作りの勉強になりました。
麻由美さん、本当にありがとうございました!
コンセントOBで、造本デザイナーの中村麻由美さん。完成した本を自ら届けに来てくださいました
美しい間隔で紡がれた糸綴製本。
紙や布が折り重なる角もとても綺麗な仕上がり。
溝も美しい。
カバーと本体との間に空間を設け、開きやすくなっている背。
本づくりに関する記事や写真がアップされている麻由美さんのブログもぜひ読んでみてくださいね!
本好きの方は必読です!!
⇒造本デザイナー 中村麻由美さんブログ
今回の贈呈本づくりのデザインは、新規ではなく「サストコで既に公開しているデザインをベースに本としてデザインし直す」こと。
「表紙は新規でデザインしてもらうことになっちゃうけど、本文は用紙サイズに合わせて微調整でいけるかな」…なんて思ってたのですが。…いやいや、そんな簡単なものじゃないですよね(汗)。ごめん! やすきち。
本というサイズが固定されたものとして、読みやすいフォントサイズと余白があらたに設計され、小見出しの位置調整なんかもやってくれました。
左がWeb版サストコ、右が製本したページ。本での読みやすさを考えてリデザインされている。
やすきちがつくってくれた表紙デザイン案。「中ページでは、型破りというキーワードからコラージュモチーフで 全体を構成したので、表紙もその一端を感じ取れるようなものがいいかと思って考えました」(by やすきち)。麻由美さんに技術面やコスト面などをうかがい、最終的には右のデザイン案となりました。
そして完成版。デザイン案通り!!(当たり前か w)もちろん、ぐっちデザインによるサストコのロゴ入り。
印刷面は紙ですが、茶色の部分は布ばりになっています。布は質感が大事!ということで、生地屋さんに行って実際に見て決めることに。最終的にはイメージに近いテクスチャ感の麻をセレクト。布の材質によって色展開も多かったり少なかったりしたのですが、探しまくってデザイン案に近い色展開を見つけることができました。
見返しの紙(左)と、CMYK印刷された中トビラ(右)の背景のオレンジ。ここまで色味を近くできたのでみなで感動!
そうそう、気づきましたか?!
今回、鈴木さんにお贈りした本は「縦開き」なんです。そして片ページのみの印刷。
これは、
というやすきちの考えによるもの。
確かに、サストコの特集は、1ページ1ページ、見てるウィンドウ内でページが切り替わるという、言って見れば紙芝居的なもの。
横に開いたり、両方のページを読むことになると視線の動きが変わるわけだから、紙芝居的な動きを考えて設計されたデザインでは、読みづらかったり意図したことが変わってしまうんですよね。
やすきちの考え方、勉強になる。
昨年夏にWebで公開したときももちろん嬉しかったのですが、本という触れられる物体として完成したものを手に取ると、なんとも言えない独特な嬉しさでいっぱいになりました。また違う喜びがあるんですね。
完成した本を手にして笑みがこぼれるやすきち。
触って、愛でる
じっくり、愛でる。
愛おしさにヨダレも出る?!w
ここで後悔。2册つくって自分たちの手元にもおけるようにしておけば良かった(泣)!!
いや、そこは本来の目的をあらためて考えて。可愛い子どもを嫁に出す気持ちで。
2013年12月、AZグループ忘年会の場で、鈴木さんに受け取っていただきました。
お渡しするまで、「そもそも嬉しいかな…」と不安になったりもしましたが、手に取り中身をみて顔をほころばせてくださる鈴木さんの表情を見て安堵。あー、喜んでいただけて良かった!!
その場でパラパラと見てくれました。「製本は、コンセントOBの中村麻由美さんなんですよー」とお伝えすると驚きとともに嬉しそうなお顔に。
インタビュー記事だけを本にするんじゃなくて、なにかプラスでできないかなと思い、コンセントをはじめ、AZグループ各社の役員やスタッフに感想文を依頼。巻末におさめました。
AZグループ各社の役員、スタッフによる感想文。「へぇー! 家に帰ってじっくり読みます」と鈴木さん。
麻由美さんにも感想文を寄せていただきました! 麻由美さん、ありがとう!!
麻由美さん、やすきち、エロ編 青木さん、河内チビラーシカちゃんはじめ、たくさんの人の協力を得てつくることができた、世界にたった一冊の本。
自分たちでつくることができて、直接お渡しできて、喜ぶお顔を見ることができて、感慨深かった。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。