Fumitoshi Nakano
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Fumitoshi Nakano

新年あけましておめでとうございます。

コンセントのクリエイティブ・ディレクターの中野文俊です。
グループ会社のフラワーショップ「kusakanmuri」の取締役も兼任しています。

グループ内に中野という名前の者は一人しかいないので、通称は「ナカノサン」です。ごく普通です。

普段は雑誌や広報誌やカタログ制作などの、主に印刷物でビジュアルを重視した様々なメディアをディレクションしています。
常日頃から企画・編集・撮影の制作上流工程から最終的なデザイン~印刷までの下流工程までを見渡しながらの仕事です。

それと、フラワーショップ「kusakanmuri」では、店舗サインや販促ツールの制作や商品撮影までしていて、役員なのに「中野工務店」と呼ばれています。ま、小規模な会社なので一人何役もこなさないとなんです。

そんな仕事をしていると、どうしても「上流工程」での品質をよくすることが、下流工程にストレスを与えず「良い仕事」になることを感じます。

築地や農家から新鮮な食材を買い付ける料理人と同じ姿勢ですね。
素材がよければあまり手数を加えなくても美味しい料理になりますしね。

とくにここ数年、SNSでも写真アプリが活発になって、世界的に写真が♡で評価されている現実をみると、ビジュアルコミュニケーションの大切さをあらためて感じる今日このごろです。
世界には言語が数千ほどあるそうですが、ビジュアルなら一つで解り合えますものね。
ヒョウ柄ヤンキー風の、ビジュアルにインパクトのある芸人が世界の人気者になる時代です。

というわけで、いきなりですが昨年末に、
コンセント自社スタジオをオープンしました。



じゃーん!
その名も「CONCENT Atelier」(コンセント アトリエ)

昨年5月ごろから言い出しっぺの僕が収支計画をして、会社がある恵比寿近辺で賃貸物件を探し始めたのがセミの鳴き始める頃。
スタジオにするなら天井が高いスケルトン仕様の事務所物件が狙いでした。

恵比寿は暮したい街No.1という調査結果もあり、今すごい人気なのでこういったデザイナーズリノベのスケルトン仕様はなかなか出ないという奇跡的な物件。
2~3ヶ月ぐらい日々物件検索サイトとにらめっこして、ようやく枯れ葉が舞う頃に出会えました。

JR恵比寿駅からも歩いて5~6分と駅チカで、内装もシンプルに白壁なのでそのままスタジオとして使えそうで、実際に改装費用はそんなにかかりませんでした。
広さは2LDK/50平米弱と、スタジオとしてはすこし狭いけど家賃予算内だしブツ撮りには支障なし。頑張れば人物撮影も出来ます。
そんなこんなでようやく物件が決まったところで、スタジオ運営する有志メンバーを社内で募り「スタジオ部」も設立。

呼び名は「コンセント スタジオ」でも良かったのですが、恵比寿オシャレエリア的にはスタジオよりアトリエかなと。
髭ヅラロン毛の強面カメラマンたちが巣食う「スタジオ」の感じよりは、パリのアパルトマンで創作に励むアーティストが集う「アトリエ」といったイメージ。

あ、もちろん、言葉のあやであって、髭ヅラロン毛のカメラマンさんに敵意はないですよ。

恵比寿駅からアトリエまで

まずはアトリエまでの道のりを紹介。


まずはJR恵比寿駅西口を出たら右手の交差点角の築地銀だこを目指します。
メトロ日比谷線2番出入口の目の前。
いい匂いが小腹を刺激します。


すぐそばに恵比寿一番会商店街の謎の花オブジェ付き街頭を見つつ商店街を進みます。オブジェはアヤメかショウブかカキツバタ?


いきなり、左手にいきなりステーキが現れます。
ガーリックの香りが食欲をそそります。
さすがグルメの街、恵比寿。


しばらく進むと恵比寿のスーパーと言えばここ、ピーコックストア。
もちろんワオンポイント貯まります。
2階がDAISOなのでなにかと便利。


商店街出口の恵比寿西の五叉路です。
またアヤメ(?)の街頭が現れます。


交差点向こうの角の丸いビルの1階は愛媛県松山で創業140年を迎える山田屋まんじゅう東京店。都内ではここだけ。ひとくちサイズのおいしいまんじゅう屋さんです。

駅前からたこ焼き、ステーキ、まんじゅうと、食欲が刺激されます。
ここまで約5分ほど。
信号を渡って右に行きます。あともうすぐです。


すぐの路地入口に連なる青い自動販売機が目印。ここを左に入ります。
この真ん中の青い自販機、電柱が邪魔で絶対売上少ないはず。


少し歩くとアトリエがあるミツワマンションの入口。
なにやら高級賃貸マンションの趣です。


入口からすぐにエレベーターがあるので赤帽さんの搬入搬出もバッチリ。


アトリエがある5階。
高級そうなマンション入口とは少しギャップがありやや昭和感。


はいすみません、表札は間に合ってません。

アトリエ探訪

ドアを開けるとすぐアトリエ1です。ドアの奥はアトリエ2。
5階で窓は南向きなので、日中はけっこう陽が入って自然光を活かした撮影ができます。


床はモルタル仕上で、多少汚れても掃除がラクです。

壁はもとから白いマットな仕上げでシンプルな内装。
オーナーさんありがとう!
暗幕もつけたので、日中にストロボ撮影も可能。
ちなみにストロボは常備してません。(活用する腕がありません…)
そこらへんはプロカメラマンに託します。


窓側方向からキッチンを見たところ。
元は洗濯機置場でもあったけど改修して全部キッチンにしました。
部屋に合わせて備品はモノトーン&ナチュラルウッドのカラーで統一。


キッチンにある1400WのIHコンロ。
契約が40Aなので電子レンジとの併用はブレーカー注意。
簡単な調理はできます。炎の料理人は無理です。
包丁はムダに5種類あります。
ガスは安全のためベランダにある給湯器だけ使用。


キッチンは狭いので、使いやすくする棚を設計事務所のFARO DESIGNさんにお願いして新たに設置!
そのほかの備品は、スタジオ部の有志がイケアなどあちこちから購入しました。


ここは奥のアトリエ2。アトリエ1より狭い部屋ですが、
東南に窓があるのでいちばん明るい部屋です。
入って正面東側窓の外はJRの線路なので光を遮る建物などがなく、
冬でも午前中から14時頃までは陽がさします。

間取りはこんなです。↓

北東の部屋はグループ会社の(株)草冠のオフィスになります。
なかよく同居。

カッコいいプロ用の備品たち

懇意のカメラマンさんたちの助言をもらいつつ、撮影に必須と思われる備品たちを揃えていったので一部を紹介。


スタジオにおなじみの箱馬。
既製品もあるけど値段が高いので、舞台セットなどを作っているところにオーダーしました。これがあるとなぜかスタジオっぽくなる必須アイテム。


わかるひとにはわかるマンフロットのオートポールと、ダブルスーパークランプ。なんだかプロレス技みたいな名前です。
「おおっと、ダブルスーパークランプ~!!」と意味なく叫びたくなります。
要は突っ張り棒とフックです。


この長い箱は背景用のバックペーパー。
隣の紙管は、バックペーパーを使う際のアルミ製のポールが入ってます。
これをさっきの「ダブルスーパークランプ」に渡して使います。
うしろには各種天板とカポック(光を加減するスチロール板)たち。
左の黒い物体は各5kgのウェイト(重し)。三脚やライトスタンドなどが倒れないようにする重しです。
ウェイトの中身は、ふつう鉛の粒を使うのですが、なんか環境とか人体に良くなさそうなので、パチンコ玉で代用。
1,000粒2,000円ほどでAmazonで売ってます。


そして、撮影界のヒーロー、AVENGERブランドのセンチュリースタンド。
ザ・アベンジャーズ!
ライトコントロールに必須なMade in Italyです。


天板の脚にする折りたたみ式のウッドスタンドと脚立。
クールなスタジオの中でもココロが和らぐように、あえて木の素材のものを選びました。


撮影中はBluetoothスピーカーでスマホリンクしてお気に入りの音楽も聴けます。


ホームエレクターで自作した撮影用ワゴン。
モニターや交換レンズなどを置けるように工夫しました。
調理時の補助台としても。
個人的にも使いやすくてお気に入り。


これは脚立界の男前、Hailoの脚立。
俯瞰写真などに使います。
脚立なのになんだか絵になる。
さすがMade in Germany


元クローゼットの中は撮影用に塗った天板たちやアイロン台など収納。
アイロン台って、立てると愛嬌あるね。


その右側の収納には工具箱やバックペーパー、いままで撮影で使った布類などを用意。


こんな天板や、


こんなタイル天板もあります。
タイル天板は撮影に使うので自作しました。
アトリエではいろんな工作もできるのだ。


撮影風景はこんな感じです。
直射日光を遮るカーテンでやわらかい光にしつつ平板な写真にならないようにがんばってます。


これはプレゼン用に僕が撮影した写真。
プロじゃない僕が撮影してもこのぐらいは撮れるんです!

また、社内では撮影以外にもいろいろ活用されています。


夜はこんな感じでパーティーや社内イベントスペースとしても利用してます。
昨年末には得意先との忘年会も開催しました。

以上、こんな「コンセント アトリエ」ですが、すでに昨年12月は7割近い稼働率。(宴会含むw)

レンタルスタジオだと最低使用時間が決まっていたり、タクシーメーターのように料金を気にしながらで制約が多いのですが、すこし気持ちに余裕を持って撮影に臨めます。

もちろん、本来目指すは「質的な向上」です。
酉年の今年は、
コンセント アトリエで、
とりを持って、写真を撮り
仕事もたくさん取りましょう!

以上、自社スタジオの紹介でした。

※現在のところ当アトリエの一般貸出はしておりません。
当施設へのお問い合わせなどありましたら、コンセントのお問い合わせフォームにてご連絡ください。
https://www.concentinc.jp/contact/business/