世界行脚

コンセントメンバーが行く、国内・海外出張の裏側こっそりみせちゃいます

Interaction 13 in Toronto

人のつながりから生まれる新しい動きを感じて

毎年チケットがあっという間に完売になるほど人気のデザインカンファレンス「Interaction」。去年はダブリンで開催されEricが参加してきたアレです。今年はコンセントからは誰も行かない予定でしたが、開催1週間ほど前になってひょんなことからバネさんが行くことに。なぜ行くことになったのか、そして開催地トロントでバネさんは何を見聞きし考えたのか。バネさんらしい珍道中エピソードとともにレポートします。

Interactionとは

IxDA主催のデザイン系カンファレンスで初回開催は2008年。
6回目となる今回は、カナダ最大の都市でオンタリオ州の州都であるトロントで開催。

Interaction 13

http://interaction13.ixda.org/

IxDAとは

Interaction Design Association。2003年に創設されたインタラクションデザインを実践するプロフェッショナル達のためのグローバルネットワーク。世界中に15,000人以上のメンバーがおり、80以上のローカルグループが活動している。

IxDA

http://www.ixda.org/

Tour Members

Producer

赤羽 太郎

[バネさん]

Navigator

河内尚子

Communication
Manager

河内 尚子

[チビラーシカ]

#1 OFF TO TORONTO

バネさん(以下、akbn):今回もカンファレンス開催前にチケットはSold Outという人気ぶりで元々行く予定はなかったんですけど、開催直前になって、行けなくなってしまった方からチケットを譲ってもらえることになったんですよ。はせがわさんがそのチケットの件と共に社内に「誰かInteraction行きたい人はいる?」と投げかけていたので僕が手を挙げたらすんなり通ってしまいました。ちなみにそのチケットを譲ってくれた方というのは、この間のパリでのService Design Global Conferenceでご一緒した方でした。

akbn:実は、コンセントのOBで現在はサンフランシスコの会社で働いているEricもInteractionに行くということが分かったので事前にやり取りして、ホテルの部屋をシェアすることにしたんですよ。完売のチケットを入手できたり、苦労なしにホテル手配できたり、人との交流って大事ですね。

akbn:ほとんどが北米からの参加者のようでした。アジアからの参加者では中国、台湾といったあたりの方が目立ち、現地で会った日本人はたった一人。その方もサンフランシスコ在住だったので、日本からの参加者は僕一人のようでした。そういえば、その方とその他有志の方で現在UX系洋書の翻訳に取り組んでいるそうなのですが、現地での会話の流れから、もしかしたら僕もそこに携わらせてもらうかもしれません。いろんなコネクションができたのは収穫でした。

akbn:そうですね、IAでもサービスデザインでもInteractionでも、より上のレイヤー、ビジネス的な視点から関わっていこうという機運はあると思うのですが、Interactionの場合は、その真逆の話をする人もけっこういるなという印象でした。真逆というのは、上位レイヤーからの関与について否定するということではなくて、例えばUI上のボタン一つの振る舞いでおもてなし感が変わる、神は細部に宿るというようなどちらかといえばミクロ視点の話も多いという意味です。

#2 STRIKING SESSION

akbn:アフリカの新しい世代のために、サスティナブルにいかに経済状況を改善していくことができるか、「ソーシャルインパクト」を与えるためのイノベーションについて取り上げた、「Innovation, Investment, Influence and Impact: design that fosters change」(by Franco Papeschi)というセッションが一番印象に残りました。

現在の経済状況の悪さのボトルネックの一つが教育の不足であるということがリサーチからわかっていたそうです。そうした時に教育システムを大きく変えようとするよりも、短時間で節約的(Frugal)なイノベーションを起こす方向を取ったという話で、日暮れ後にも勉強ができるようにソーラーランプを作ったそうです。

状況改善のためのセオリー、フレームワークとしてこんなものが紹介されていました。実際の例と対比させると、

資金や政府介入や時間などが最小となるような手段を選択しているところが特徴。やれたら素晴らしいけどすごく時間がかかるかもしれない(いつ実現できるか分からない)というものに向かって、小さなサイクルで反復的にやるというよりは、現実性や継続性を最も重視して、道筋を設計しているように見えます。現実に則した結果として、すでにあるものを安く組み合わせることでも十分に社会的なインパクトを目指すことが可能だという示唆があったように思ったこともあり、この「節約的イノベーション」というものに可能性を感じました。

「前日にたまたま恐竜の展示を見に博物館を訪れたのですが、それに関するセッションもありました。「Intuitive Interfacing: The use of Interactive media in Royal Ontario Museum's Ultimate Dinosaurs: Giants from Gondwana exhibit」というセッションで、博物館の入場者アンケートをテキストマイニングすることで利用者のニーズや興味を引きだして、それを展示のインターフェースに反映させたり、必要に応じてARなど流行の技術を用いながら直感的な展示インターフェース作りに取り組み、展示のあり方を変えたという話が聞けました。前日に実物を見ているだけに納得度も大!」

#3 ENJOY!! conference

akbn:Interactionには会社単位や地元単位のようにグループで来ている人が多い印象でしたね。残念ながら日本人は僕ともう一名ぐらいしかいなくて、確かに1人でいることも多かったですね。一人で行ってもうまくやるために僕なりの方法があるので紹介しましょうか。

Interactionではカンファレンスセッションのほか、毎日のように何かしらネットワーキングパーティのようなものが開催されていましたけど、1人だとちょっと気まずいですよね。僕はそういう会場で、僕と同じように1人でいる人たちに声かけてました。しかも1人でウロウロしている人って実はスピーカーの人が多いんですよ。だから、結果的に面白い話ができたしオススメですね。

カンファレンス会場ではランチの提供もありますが一人で食べるのもなんだし、せっかくなら街で普通のご飯も食べたいし…ということで、僕は外に出て食べてました。ちょうどカンファレンス開催期間中は街を挙げて「wintericious」という食のイベントをやっていて、それなりのレストランでもお手頃なコース料理を出していたりするので美味しい経験ができましたよ。ちなみに、翌日カンファレンスで知り合った人達を、wintericiousで見つけた美味しかったお店に連れていってあげたら喜ばれました。

そんなことがきっかけで、知り合ったエージェンシーサイドの人たちと親しくなり、彼らが東京来た時には、ぜひ東京で会おうなんて話もしています。

コンセントには国内外のカンファレンスやワークショップに参加できる自由度や風土があります。知識欲求の強さや吸収したものを業務に生かす実行力はもちろん問われますが、在籍年数や職種は関係ありません。今よりもさらに専門性を高め、難易度の高いプロジェクトに取り組んでみたい方、コンセントで一緒に働いてみませんか?

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