世界行脚 vol.19 Creating Value of Qualuty of Life Service Design Global Conference in Stockholm

前編 Road to Scandinavia

ストックホルムとコペンハーゲンでサービスデザイン三昧

10月7、8日にスウェーデンのストックホルムで開催された今年のService Design Global Conference。コンセントのメンバーも出席してきました。今回は、いつものカンファレンスに加え、スウェーデンのお隣、デンマークのコペンハーゲンにも立ち寄り、現地のサービスデザインエージェンシーや大学を訪問するなどいつも以上に盛りだくさんな出張でした。
今回のカンファレンステーマは「Creating Value for Quality of Life」。
世界行脚もこのテーマにあわせて、今回のカンファレンス出張のなかで感じられた「Quality of Life」を
ストックホルム(前編)、コペンハーゲン(後編)にわけてご紹介していくことにします。

そもそもQuality of Lifeって?

直訳すれば「生活の質」ですが、経済的な生活水準といったものよりも、もっとその人の価値観に沿った、より幸福と感じられる人生の内容や社会的にみた生活の質というようなニュアンスのようです。その人らしい生活だったり、充足した人間関係だったり、心地良い住環境だったり…と観点はさまざま。

北欧で開催された意味

今回のサービスデザインカンファレンスは、開催地こそスウェーデンのストックホルムですが、ホストとなったのはスウェーデンを含むスカンジナビア4か国(スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ノルウェー)です。

冬は寒さが厳しく日照時間も短いスカンジナビアの国々では、そうした環境でも心地よく楽しく過ごすための、いわばQuality of Lifeをどうにか向上させるための工夫が生活のなかに根付いているようです。

日本でも北欧家具や北欧雑貨などが人気ですが、北欧の国々から生み出されるデザインに、わたしたちはなにか豊かさを感じているのかもしれません。
そう考えると「Creating Value for Quality of Life」というテーマのカンファレンスが北欧で開催されたのは大変興味深いことです。

カンファレンスに見るQuality of Life

サービスデザインカンファレンスではそのカンファレンステーマが感じられるような、人間味や温かみが感じられるような演出が見られました。

Stage

まるで自宅のリビングのようにソファとランプが置かれ、パネルディスカッションなどもくつろいだ雰囲気で行われました。

Presentation

どのセッションのスピーカーもプレゼンテーションの最初に「私のQuality of Lifeは…」と紹介していました。
家族の写真や旅行の写真、食べ物の写真など、スピーカーの人となりが伝わってくるような紹介で、プレゼンテーションの中身もぐっと身近に。

Member"s Day

Members' DayではHealthcare、Finance、Public Service、Service Implementationという4つの分科会でワークショップを開催。どれも普段の生活に密着し幸福度への影響が大きい分野。Service Implementationは前半の3つとはレイヤーが異なるものの、これら3領域においてのサービスの実現という意味では重要なテーマ。

Tibetan Buddhist mosk's Session

精神的な豊かさや、意図的にはデザインできないようなもの、自分の力では変えることができないものがあるということを認めることの大切さなどについて、チベット仏教の僧侶からのセッションがあったのも印象的。この日は、彼のメディテーション(瞑想)から1日のプログラムがスタートしました。

コンセント的 Quality of Life

滞在中の楽しみはカンファレンス以外にも色々。朝から晩まで拘束時間が長かったり、カンファレンスに出ながらも日本の仕事をこなしたり…と、なかなかハードではあるものの、その土地の空気を感じながらできるだけ楽しむのがコンセント流。

旅行者ではなく住んでいる人の感覚で過ごせるよう今回はアパート。(ぼやっとしていたら、カンファレンス会場に近い手頃なホテルが満室で取れなかった…とも言いますが)。ホテル滞在とはまた違った快適さがありました。

コンセントメンバーが滞在していたのは、セーデルマルムというアーティスティックでホットなエリア。アパートからちょっと出たところには、雰囲気のいいカフェもチラホラ。スウェーデンらしいシナモンロールのようなパンとコーヒーで朝ごはん。このパンにはカルダモンが入っているようで、ほおばると口いっぱいに華やかな香りが広がります。それにしても物価はかなり高め。

イングレスでレベルを上げるために観光しながらも、変な路地に入っていったり。

ストックホルムに住んでいるフォトグラファーの友達に数年ぶりに会ってバネくんにも紹介しました。

この土地ならではの、ヘラジカやイノシシなどワイルドな肉もをたくさん食べました。

カンファレンス前日のワークショップの日、わざわざこれが食べたくて、電車を乗り継いで市場に行きました。売り切れゴメンだったらショックだな…と思いつつ、無事に全員スープにありつくことができました。ヒョートリエット市場にあるKajsas Fiskというお店のブイヤベースのような魚のスープ。

カンファレンスについてもっと詳しく!

カンファレンスの基調講演について、はせがわさんがBiz / Zineというオンラインメディアでコラムを書いています。

後編のコペンハーゲンへ続く

いつもならカンファレンス終了とともに、ふーっと一息つくところですが、今回はストックホルムでのカンファレンス終了翌日に、飛行機でコペンハーゲンへと移動。実は、カンファレンスよりも充実度が高かったとの噂もあるコペンハーゲンでの滞在。
後編では、コペンハーゲンの美しい街並みとともに、デザインスタジオツアーや大学でのプレゼンテーションの様子をお伝えしていきます。

後編 Service Design Tour in Copenhagen