世界行脚 vol.11 [2013.3.16-17] Road to Kagoshima
せっかく行くなら楽しまないとね♥ コンセントメンバーが行く、国内・海外出張の裏側こっそりみせちゃいます
せっかく行くなら楽しまないとね♥ コンセントメンバーが行く、国内・海外出張の裏側こっそりみせちゃいます
鹿児島駅至近にある隠れ家的コワーキングスペース
301 Coworking & Share space
コンセントの元マークアップエンジニア。現在は鹿児島在住。 コンセント在籍時には社内でウクレレ部を立ち上げ、初心者相手にウクレレの弾き方を教えてくれた人でもあります。 著書に『HTML5マークアップ入門』(技術評論社)
Coding Design
『HTML5マークアップ入門』
著者:森 史憲 出版社:技術評論社
情報アーキテクチャ関連のセミナーやワークショップはよく見かけるけれど、男性講師が多い印象。コンセントにお声がけいただく時もはせがわさんが登壇するケースがほとんど。
いや、でも待てよ。コンセントでIAやってるのってはせがわさんだけでもないし、コンセントは男女比でみると圧倒的に女性のほうが多いし、女性が講師のほうがなんだか華やかそうな気もするし、情報アーキテクチャのレクチャーを女子がやってもいいじゃない!
そう思っていたところ、コンセントOBで現在は鹿児島に住んでいるHTMLコーダーの森くんから「鹿児島でIAについての講演をやってもらえないだろうか」とのご相談。「うん、うん、行く、行く!モナちゃんが講師やります!」と、モナちゃんに正式に了解をとる前に二つ返事で引き受けました。
鹿児島の参加者の方にはぜひ何か体験もしてほしい!そんな思いからワークショップもセットで行なうことを提案。ワークショップをやるとなると人手もほしいところ。というわけで、イベント運営をあうんの呼吸でいける、一緒に広報を担当しているユカリンもメンバーに入ってもらうことにしました。
こうして、急遽、「コンセントIA婦人会」が発足し「僕も鹿児島に行きたい…」と訴えるはせがわさんを尻目に、女性陣だけのIA塾を敢行!
ところで、鹿児島で「IA塾」を開催するというのはなんだか親和性が高いような気がしますよ。だって、鹿児島といえば「しろくま」。IAといえば「しろくま」じゃないですか!鹿児島のしろくまはみなさんご存知ですよね?かき氷に練乳とフルーツが乗ったアレです。
ではIAのしろくまは?そう、しろくま本!情報アーキテクチャについてかじっている人は必ず読んでいるであろう、ある意味Web IAの古典とも言える『Web情報アーキテクチャ -最適なサイト構築のための論理的アプローチ』(オライリー・ジャパン)のこと。表紙がしろくまの絵なので、通称「しろくま本」です。
妙に納得したところで(してない?)、迎えた当日。
羽田から3人で鹿児島へ飛び、鹿児島空港から市内へは森くんに教えられた通りバスで移動。鹿児島中央駅前のターミナルビルに着くと、森くんがお出迎えしてくれました。久しぶりの再会!ランチをとりつつ会場となるコワーキングスペース301へ向かいました。
今回のIA塾は、前半は講義、後半はワークショップという2部構成。
講義のパートでは、大きく「IAとは?」「Web情報アーキテクチャ設計での大切なポイント」「プロジェクトの流れとIAの役割」の3つに分けてモナちゃんがレクチャー。特に最後のパートでは、参加者のみなさんが少しでも具体的なイメージを持てるよう、実際のプロジェクトで使っているツールやドキュメントも見せながら進行しました。IAの概要などは本を読めば書いてあることも多いので、正直、参加者が物足りないと感じてしまうかなとも思いましたが、実際にはみなさんメモを取りながら熱心に聞いてくれていました。特に、会場にいた人だけの特権ということで実際使っているドキュメント類などを見ていただいた時には、「どういうフェーズで使うのか」「社内共有のためだけに使うのか、それともクライアントとも共有するものなのか」「ドキュメント作成に使っているソフトは何か」といった質問もあがりみなさんの関心の高さを感じました。
レクチャーの後は少し休憩を挟んで、サイト評価の観点を得るためのグループワーク。あるウェブサイトのトップページだけを見て、そこから気づくことを洗い出し、そのことから何が言えるのかを考えるようなワークです。
コンセントでは、クライアントプロジェクトはもちろん、社内プロジェクトや単なる社内の相談事であっても、ブレストしたり、グループワークしたり、とにかく付箋紙とペンを使って、体を動かしながらワークショップ型ですすめることが多いので、こうしたワークは取り立てて珍しいことではありません。でも、必ずしもそういう進め方をしている会社ばかりではなさそうです。特に、フリーランスや小規模な組織で活動している場合には、グループを作るほどのスタッフがいないということもあります。そういう理由もあってか、こうしたワークショップをすると特に喜ばれることが多いように感じます。本を読んで分かったつもりになっていたことが、実際に手を動かしてみると実は分かっていなかったと気づく…、そんなこともありますしね。懇親会でもそんな声が聞かれて嬉しく思いました。…と同時に、グループワークを日常的にできるコンセントの環境はとっても恵まれているんだな…などと思ったり。
今回の講師モナちゃんの肩書きはUXアーキテクトです。私チビラーシカの肩書きはコミュニケーションマネージャー。ユカリンはPR/Marketing。「IA婦人会」とか言っても、誰一人IAいないじゃん!そんなツッコミもあるかもしれません。でも実はコンセントで「インフォメーションアーキテクト(IA)」を名乗っているのははせがわさんだけ。当然のことながら、はせがわさんしかIAをやっていないということではありません。むしろコンセントでは全員がIAをやっているので、特に名乗っていないのです。とはいえ、「IA婦人会」を名乗るからには、3人それぞれに、プロジェクト経験などでのいわゆるIA的なバックグラウンドは持っていますよ。
コンセントOBの森くんと、福岡から駆けつけてくださったIAの方以外は初めてお会いする方ばかりでしたが、鹿児島のみなさんはとっても親切!懇親会でも地のものをオススメしてくださったり、翌日の観光についても色々アドバイスしてくれたり…。翌日のスケジュールを考えた時、無駄なく観光するためにはホテルチェックアウト後の荷物をどうするか、という問題があったのですが、参加者のなかのある方は、わざわざ鹿児島中央駅でコインロッカーの写真まで撮って送ってくれて、スーツケースでも入るロッカーがあるということをわかりやすく教えてくださったりもしました。
これって、当たり前なコミュニケーションにも見えるけどちょっと拡大解釈してみればIAでもありUXでもありますよね。ユーザーのことを考え(例えば、IA婦人会の行動予定や状況)、どんな情報が必要かを考え、どんな手段で伝えたら理解しやすいか、それを提供することでどんな体験をしてもらうのか…。
情報アーキテクチャやUXデザインのアプローチは、Webだけでなくもっと広く活用できるものだし、それゆえ概念的で壮大な話もたくさんあります。でも、理解のデザインとも言いかえられるIAは、普通の人の普段の生活のなかにも実は入り込んでいるものです。Web構築やサービス・プロダクト開発プロジェクトに限らず、またインフォメーションアーキテクトという職種に限らず、情報アーキテクチャを学び、実践する場はたくさんあるのだと思います。
急遽発足した「IA婦人会」ですが、大きなプロジェクトの話だけではなく、そういう小さいIAを拾っていくような活動もしていきたいなと密かに思いました。それから、日本全国のIA婦人の方とのコラボレーションもできたらいいな…なんてことも目論んでますので、コンセントIA婦人会をどうぞよろしくね!