2015/07/07 15:19
どうも。Directorで新人の大石です。
今年もコンセントの恒例行事であるBBQ大会が開催されました。
その様子を、幹事を務めました新人を代表して、大石がレポートします。
ずばり、このBBQ大会の目的は「社員同士、もっと仲良くなっちゃおう!」ということです。
青空の下、美味しいお肉を一緒に食べればみんな友達! ということですね。
今年はコンセントだけでなく、同じAZグループのPIVOTの方にも参加していただき、合計60人が集まりました。大盛況です。
今年のBBQ大会は、お台場のダイバーシティ屋上にある「都会の農園」で行いました。
実はここ、去年のBBQ大会が開催されるはずだったところです。
ところが、台風で中止になってしまったということで、今年はそのリベンジなのです。
はじめに食材の準備です。
早くお酒が飲みたい一心か、みなさん手際よく野菜を切っていきます。
準備ができたら乾杯!
やっぱり外で飲むビールは格別です。
BBQの主役といえば、やっぱりお肉。
これがないと始まらないですよね。
見てくださいこの笑顔を。
「お肉さいこー!」って言ってますね、これは。
もうここまできたら、みなさん勝手に楽しんじゃっています。
BBQは普段喋れない人と交流する絶好のチャンスです。
なんですか、この写真は。最高すぎるでしょ。
大の大人も少年のような笑顔になってしまう。
そう、それがBBQです。
そしてみなさんお待ちかね、超豪華食材。
今年は、毎年豪華食材を持ってきてくださる長谷川さんが途中参加、大岡さんも来られないという緊急事態。
そこで会社に直談判しました、お金をくださいと…。
すると社長、籔内さんが快くOKしてくださいました。
さらに、なんと社長、籔内さんのポケットマネーからも援助が。
籔内さん、ありがとうございます!
どうですか?
もう、この楽しさ伝わってますよね?
これはBBQ大会の目的、完全に達成してますよね。
めっちゃ仲良くなっちゃってますよね、これは。
そして、あっという間にお開きの時間です。
えー、楽しすぎて集合写真撮るの忘れました。すみません。
というわけで秀野さんでお別れです。
新人が幹事ということで至らない点が多々あったかと思いますが、少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
2015/06/04 15:18
こんにちは。サービスデザイナーの高石です。
順調に回を重ねております「Service Design Salon」。3月17日にUXD initiative と合同で開催した第6回のレポートをお送りします。
テーマは「サービスデザイン思考と学び」。コンセント代表の長谷川と千葉工業大学の山崎教授、安藤准教授によるパネルトークの後、参加者も交えてディスカッションを深め、最後に学生さんたちによるサービスデザインのパネル発表、という構成で進みました。
まず3人それぞれ、テーマに関連する話題提供からスタート。
トップバッターの長谷川からは、「サービスデザイン思考と学び」と題し、コンセントが業務を行うなかで感じているスキル向上について。
コンセントのService Design divisionには、エディトリアルデザイナーだったりディレクターだったり、多様な出自のメンバーがいます。スキルはさまざまで、最初からサービスデザイン全体に通じていたデザイナーはいません。OJT的に学ぶ面が大きいのですが、クライアントワークである以上、学びよりもアウトプットの質を優先するため、チーム編成、クオリティチェックなどをきちんと行いながら、クオリティと生産的な学びを両立する工夫をしています。
ほかに、継続的に幅広いインプットを続け複雑化する課題にも対応できるだけの語彙を増やすことの重要性や、新しい価値を世の中とつなげて考えられるような全体視点を獲得することの難しさについてなど、さまざまな課題提起がありました。とくに、これまで重要だったIA的側面からのナビゲーションの設計がある程度成熟した今、コンテンツとユーザーの意味的なインタラクションも含めた、コンテンツ自体のデザインへ踏み込んでやっていくべきではないかということ、新しい価値をつくるためには、完成形の追求ではなく失敗も含めプロトタイピングを行ったプロセス自体を共有し、先に進むことに価値があるのではないか、といった話が印象的でした。
続いては安藤先生による「サービスデザイン思考?」。
まだ自分のなかで揉むことができていないが、と前置きした上で、UXという概念が企業と関わりが深くなってきたなかで得た気づきを共有してくださいました。
サービスの計画対象には「企画」「構築」「運用」の3つがあり、相互に作用し合うものなので個別に取り上げるべきではないが、教育の現場ではどこかにフォーカスをせざるを得ない。また、企画・構築はなんとかできるが、「運用」は踏み込んで実践することがなかなか難しいと感じていらっしゃるとのこと。
ここで、「サービスとは客を満足させるものと思われているが、その本質は客と提供者がお互いを試し、見極める“闘い”である」という山内裕先生の著書『闘争としてのサービス』をとりあげながら、『「どM」になる』というキーワードが。
サービスデザインを実践する上では「人を見る」ことがコアにあって、従来の見方・やり方ではこぼれ落ちてしまった価値をすくう必要があり、本当の事象を「本当に真面目=ど真面目=どM」になって見ていく必要がある、ということ。「ユーザーをどMに調べ、それに基づいてデザイナーにつくってもらうのが自分の役割」と話してくださいました。
最後に山崎先生による「サービスデザイン思考と学び」。
サービスデザインの方法論はアイディアを出すために役立つし、デザイナーでなくても重要なので、大学での授業に取り入れてきた。ただ、結果をみると手法をうわべだけなぞってやっている。企業に対して学生がプレゼンテーションを行うと、自分自身がいいと思っていないのに手法だけなぞって発表している、という事実に気づかされる。その状況に危機感をもち、山崎研究室では「バカになる」をテーマにした合宿をされたそう。
「バカ」というのは、本気でテーマに向き合い、自分をさらけ出し、自分一人きりでも「絶対にいい」と信じられることを実践する姿勢のことだそうです。
2015年春合宿では、とあるホテルを対象に、チームに分かれてサービス改善提案を実施。
学生たちは、まずいろいろな職種のスタッフに徹底的にインタビュー。みなとても正直に答えてくださり、それぞれのホテルへの想いを知ることができたことで、自分たちもホテルを愛することが大事なんだと実感できたそう。
最後にスタッフたちの前で社長にプレゼン。
さまざまなアイディアをもっていたが、それを提案したり、実現することができずにいたスタッフたちは、それを学生が社長の前でプレゼンしたことをとても喜んでくださったそうです。
表面的に手法をなぞってまとめていたグループもあったそうですが、「それは自分たちの教育のダメな点」と振り返っていらっしゃいました。
ディスカッションタイムにうつると、まず「バカになるとは」で議論が盛り上がりました。
人から見るとバカみたいに見えるかもしれないが、思いにまっすぐに新しいことを一生懸命やること、小さいフレームにおさまらずに踏み出す勇気、対象に真摯に向き合うこと=愛ではないか、などなど出ましたが、「バカとは、を定義するとそのフレームに収まってしまいそうだから、定まっていない感じがいいのでは」という声も。なるほど。
学生さんからの「企業と取り組む際、自分がおもしろい! やってみたい! と思ったことでも、運用や実装を検討していくとどんどん無難な案になってしまうのが悩み」という問いには、「そんなことを考える必要はない! おもしろいと思うならつくってみればいい」(安藤先生)、「楽しんでいる様子を周囲に見せるのは説得力になるし早い。みんなにとって問題になりそうなことは、めちゃめちゃチャンスだ」(山崎先生)、「物事を考えるときに視点をずらしていくと、ごく基本的だが見落としていたような解が出てくるときがある。まだ見ぬ青い鳥をいるはずだと信じて探し続けていくように信念をもてば、たががあるとは思わないのでは」(長谷川)という熱いエールが。
最後に山崎先生からの「2015年春合宿でつくづく思ったのが“運用”は重要ということ。限られた人たちでどうするのか、を解決するのは大切」「(先生自身がコンサルしてもよかったが、)学生たちがやった方がホテルスタッフの方のモチベーションが上がるし、モラルも向上すると思った。学生にもリアルな場を体験させたかった」というお話で一区切りしました。
続いて、千葉工業大学の学生さんたちのパネル発表にうつりました。
3年後期の「情報デザイン演習3」の授業で、企業や大学の協力を得てリサーチ等を行いながら課題の発見と解決に取り組んだものです。「千葉工業大学近くの“献血ルーム”のサービス提案」「新たなキュレーションサービスの提案」「千葉工業大学の入試提案」の3テーマに分かれ、11名がパネルを並べ、参加者が自由に立ち寄って提案内容を聞き、質疑応答するスタイルで行いました。
いかがでしたか?
ふだん実務の中でサービスデザインを行っているので、「学び」という視点は新鮮に感じましたが、よくよく考えてみると日々学ぶことだらけです。
また、「どMになる」「バカになる」といった言葉で三者三様にサービスデザインを語ってくださいましたが、対象に真剣に向かい合い、いいと信じることを実践し、失敗を恐れずそこから学ぶことを重視するなど、通じるものがあるなと感じました。
学生さんの発表をまとめて聞くことができ、クオリティの高さや、いい意味での「青さ・初々しさ」が刺激になりました!
Service Design Salonで一緒にディスカッションしませんか?
今後もさまざまなテーマでService Design Salonを開催予定です。
直近では、「公共のためのデザインの可能性」をテーマとして、6月16日にUXD initiativeとの共催にて「Service Design Salon Vol.8」を開催します。
現時点(6月4日)で残り1席となっておりますが、ご興味のある方はぜひ以下のページにて詳細をご確認ください。
⇒ Service Design Salon Vol.8/第18回UXD initiative研究会 開催のお知らせ
なお、Service Design Salonの情報は、コンセントの公式Facebookページにて随時告知しておりますので合わせてチェックいただければ幸いです。
⇒ コンセントの公式Facebookページ
【関連リンク】
⇒ オープンな勉強会「Service Design Salon」
⇒ Service Design Salon vol.4 レポート
⇒ 〜日本の公園から考える〜Service Design Salon vol.5 レポート
⇒ ~UX and Emerging Technologies~Service Design Salon vol.7 レポート
2015/05/21 12:26
こんにちは。プロデューサーの坂東です。
サービスデザインの話題を中心に、広くデザインについてディスカッションを行う「Service Design Salon」も7回目を迎えました。
今回は、「UX and Emerging Technologies」をテーマに、ユーザーエクスペリエンスに特化したエージェンシー Involution Studios のファウンダー兼会長であるDirk Knemeyer氏(以下、ネメヤー氏)をゲストにお迎えしました。またUXD initiative との共催としたため、千葉工業大学・教授、山崎和彦氏にもお越しいただき、コンセントの長谷川を加えた3名による話題提供に基づいて、ネメヤー氏とディスカッションを行いました。
当日の内容をレポートします。
ネメヤー氏は、過去に100以上の記事を『Business Week』に寄稿し、ヨーロッパやアメリカを拠点に年間50以上のスピーチやカンファレンスでのキーノートを担当されています。
今回、そのネメヤー氏に「UX and Emerging Technologies」をテーマとしたプレゼンテーションをしていただきましたので、まずはその貴重な内容をご紹介します。
50年前、いわゆるSFとして描かれていた仮想未来のテクノロジー。時は流れ、そこに現実のテクノロジーが追いつき追い越し始めているという話を聞かせていただきました。
例えば、60年代に流行した『宇宙家族ロビンソン』で描かれたようなロボットが、今は実際に動いてしゃべる人間大のロボットとして存在する。ほかにも、1960年代に放映されたスタートレックに登場する情報端末に対し、現代を代表する情報端末のiPhone、ロボコップの世界で表現されたサイボーグに対する現代のEyeborg等、現実がSFを飛び越えてしまった事例を交え、現代のテクノロジーの進歩の可能性を感じさせる内容でした。
初めてユーザーエクスペリエンスという言葉が現れた1930年代まで遡り、UXの発展に着目した歴史の節目についてお話しいただきました。なかでも、2007年にiPhoneが登場したことで、それまで主流だったWebサイトでのUXに加え、プロダクトやサービスそのものに対するUXに注目が集まっているという話は大変興味深いものでした。
また、ネメヤー氏は、未来のUXを考えるにあたって、まずUXを大きく以下の4つのフレームに“解剖”(simple anatomy of UX)。
・Research
・Design
・UI Engineering
・Testing
続いて、デジタルプロダクトを例に、時代によってこれらを担う人員構成とプロセスが変化しているという話を紹介してくれました。
まずはUXの出現期である2000年代以前について。当時は、一人の人物が思いついたいいアイデアを、同じ人物がエンジニアリングしてリリースするという直線的な3つのプロセスでした。
・Idea(Person A)
・Engineering(Person A)
・Release
続く現代、UXの熟成期としての2000年代には、6つのプロセスに増え、それぞれのプロセスをそれぞれ別のスペシャリストが担当するようになりました。
・Idea(Person A)
・Research(Person B)
・Design(Person C)
・Engineering(Person D)
・Testing(Person E)
・Release
そして、ネメヤー氏は、これから先2020年以降の未来では、このプロセスの役割を担う人員構成がさらに変わっていくと考えているそうです。
それは、誰かが思いついたIdeaをもとに、Research、Design、Engineeringを発案者本人、またはほかの誰かが一貫して行い、Testingをスペシャリストが担当するというものです。未来では、このような製品開発プロセスが、1つのIdeaをもとに、同時に複数行われることになるだろうと予測します。
・Idea(Person A)
・Research(Person A,B,C…)
・Design(Person A,B,C…)
・Engineering(Person A,B,C…)
・Testing(Person X)
・Release
Researchをもとにユーザーニーズを発見してDesignを行うことが今では当然のこととなっているように、これから先の未来では、ResearchからEngineeringまでを一人の人間が一貫して行うことが当たり前になるのかもしれません。
プレゼンテーションの最後には、UXの未来、UXに関わる人間がこれからどんな道を歩むべきかを話してくださいました。
前述したUXでの大きなフレームであるResearch、Design、UI Engineering、Testing、の4つのうち、ResearchとTestingは常に必要なものだからこれから先も問題はない。では、DesignとUI Engineeringは未来ではどうなっているのだろうか。
多くのデザインのパターンが実証され、知見がたまってくることで、それらがパターン化され、フィジカルなインターフェースとして自動化、生産される時代が来るのではないか。
我々は常に新しい科学とエンジニアリングを理解していなければ、時代に取り残されていくことになる。UXが完全に自動化されることはまだないので、会社の企業体によってはそのまま生き残れる可能性はあるものの、そうではない場合、
・影響を直に受け、進化し、スキル向上させる
・あきらめて違う道へ
の2つに1つの道を選ぶことになる。
これからもUXに関わり続けるためにも、時代に合わせて我々も変化しなくてはならない。そのために必要な行動指針の例として、
・ResearchやTestingの役割を担い続ける
・コミュニケーション・マーケティングにDesignで柔軟に対応する
・特定範囲の業界に集中し、専門性を磨く
・よりディープな科学とEngineeringを学ぶ
なにより、自分が「諦めない」ことを上げていました。
また、UXに関わる者が学ぶべき科学とエンジニアリング分野の例として
・Computer Science(コンピュータサイエンス)
・Artifical Intelligence(人工知能)
・Materials Science(材質科学)
・Human Physiology(人間生理学)
・Genomics(ゲノミクス)
・Neuroscience(神経科学)
・Psychology(心理学)
・Sociology(社会学)
等を挙げ、これらの知識と知見を基に、人間性に対する深い理解が私たちには必要であると締めくくりました。
テクノロジーの躍進に伴ってものづくりの本質が変わっていくことで、我々の職種(デザイナー、エンジニア)がどう変わるのか、そうした職種に適切な人材を教育によってどのように育てることができるのか、UXデザインは今後どうなるのか、という話等、大変身になると感じるプレゼンテーションでした。
プレゼンテーション後、会場の参加者の方々も交え、UXをテーマにさまざまなディスカッションを行いました。
以下、当日盛り上がったテーマごとにいくつか抜粋してご紹介します。
・教育について
前回のサロンに引き続き今回も快くご参加くださった山崎氏からの、AIやデザイン、エンジニアリングの新しいあり方について学ぶことのできる教育の場が必要だと考えている、という話題に対し、ネメヤー氏は、ただデザインやエンジニアリングを教えている学校はこれから必要ではなくなっていくのではないか、との考えをおもちのようでした。
また、海外と日本の教育の違いについても言及。高校から自分が進みたい分野や興味のある分野を学ぶことができるようになっている、いわゆる「ヨーロッパタイプ」として普及している教育スタイルでは、学生それぞれが早い時期から専門性を身につけていくのに対し、日本の教育では専門性が分かれ始めるのは大学から。社会に出る直前からになってしまっていることを改善し、教育のあり方を見直すべきでは、とも考えているようです。
今の時代、オンラインスクールで知識を補うことができるが、必ずしも必須ではない。むしろ、義務教育等は、この自由な学びの考えを取り入れていくことが、これからの時代に必要なのではないか。そこ(教育分野)は未だイノベーションが起きていない分野なので、ネメヤー氏もこれからに期待をしている分野だとのことでした。
・Humanizationについて
来場者からの「Humanizationについてどう思うか」という質問に対しては、「人間の身体性を奪うのは間違っていて、あくまでも人間性というのは何かということを理解した上での技術の進歩があると思っている」と持論を展開。
今回モデレーターを務めたコンセントのUXアーキテクト 坂田からも「世の中がどんどん便利になっているけれど、便利さを追及することで最終的には身体性がすべて置き換えられてしまい、ついには人間性が失われてしまうのではないか、そこに危機感を感じる。忘れてはいけないのは人間性や身体の拡張性の方だと考えている」という意見が出ました。
「Service Design Salon vol.7」の一部を紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
今回、ネメヤー氏は会の締めくくりとして「我々の職種は絶滅危惧種だ。正解が分からない先を見ようとしているが、ネガティブなこととは感じていない。大事なのはさまざまなことに好奇心をもつことで、こういった場に参加している君たちはすでに成功者だ。これからも自分が社会にどんな役に立てる人間なのかを常に考え続け、アイデンティティを失わず進んでいこう」と語りました。
テクノロジーの躍進に伴って関係する職種や考え方がどんどん変わっていくなか、私たちデザインに携わる者が、その本質にこれからどう関わっていくべきかを考えさせられる、大変有意義な会となりました。
また、イベント終了後に、ネメヤー氏がファウンダーを務めるInvolution StudiosのWebサイト「goinvo」でも、コンセントとService Design Salonについてご紹介いただきました。ぜひご一読ください。
⇒ goinvo|Tea + UX: Talking About UX and Emerging Tech in Japan
Service Design Salonで一緒にディスカッションしませんか?
3月17日(火)に開催されたService Design Salon第6回は、「サービスデザイン思考と学び」と題し、UXD initiative研究会との共催で開催。「サービスデザイン思考とは?」「サービスデザイン思考を学ぶには?」というテーマで、第7回にもお越しいただいた山崎氏と、サービスデザイン思考に関連する活動をされている安藤昌也氏(千葉工業大学・准教授)、コンセントの長谷川の3名による話題提供後、パネル・ディスカッションを行いました。また後半には、千葉工業大学の学生のみなさんのサービスデザインのパネル発表も見ながら、参加者同士、議論を深めました。第6回のレポートは追って掲載します。
次回「Service Design Salon vol.8」の開催情報は、コンセントの公式Facebookページにて告知しますので、ご興味のある方はぜひ以下のページにて詳細をご確認ください。
⇒ https://www.facebook.com/concentinc
今後もさまざまなテーマでService Design Salonを開催予定です。
ご興味をもっていただいた方、参加してみたい!と思っていただいた方は sd-salon★concentinc.jp までご連絡ください(メールをいただく際は「★」を「@」に変えてください)。
お待ちしています!
【関連リンク】
⇒ オープンな勉強会「Service Design Salon」
⇒ Service Design Salon vol.4 レポート
⇒ 〜日本の公園から考える〜Service Design Salon vol.5 レポート
2015/05/12 16:50
こんにちは、Service Design division の秀野です。
今回は3月に行ったインターンシップの様子をレポートします。
いつもは5日間程で行っているコンセントのインターンシップ。
今回は1日というかなりコンパクトな時間での実施でした。
そんな、わたくし秀野の仏のような想いのもと計画されたのが…
という、息つく暇もない鬼のようなプログラム。
知ってます、どんだけ無茶振りか。
そして、今回のテーマはというと…
「健康的な食生活を支援するサービスの提案」
※ただしコンセント社員の◯◯さんのためにサービスを考えること
ぼんやりと「誰かのため」とはいわず、
徹底的に「サービスの提供対象となるターゲット」と向き合ってデザインすることを条件にしました。
コンセントが大切にしている「人間中心設計」の考え方、感じとってくれるといいな。
さてさていったいどんな提案がされたのでしょうか。
会場はamu。朝から総勢24名の学生さんにお集まりいただきました。
各チーム6人、4チームに分かれてスタートです。
まずは最初に自己紹介。会場のamuは朝から活気に溢れています。
一般大も美大・芸大も…参加者の学生さんたちの専門分野もさまざま。
コンセントのインターンシップでは、一般大も美大・芸大も混合でプログラムを実施しています。
職種や立場を超えて、広くデザインに取り組むコンセントならではの実習形態かと思います。
さて、調査内容を考えてインタビュー開始です。
いつも元気な松田さんがターゲット。
こちらはアットホームな雰囲気。フレッシュな若手社員、戸塚さんがターゲット。
こちらも和やかな雰囲気ですね。多数の案件をスマートにこなす赤羽さんがターゲット。
仕事へのストイックさから一部で「老師」と称される山口陽一郎さんがターゲット。
ターゲットの社員の皆さんはどんな生活を送っていて、どんな価値観をもっているのでしょうか。
そしてその課題は…!?
今回はワークモデルという形式で調査結果を視覚化してもらいました。似顔絵が似ている…!
ワークモデルの一例がコチラ(個人情報なので控えめにチラリ)。
調査結果が見えると議論もしやすくなりますね。
さまざまな切り口で課題を探ります。
うーん、なるほど!
一人で食べるかみんなで食べるかで食事への意識が変わるようです。
各班で着目点が違っていておもしろいです。
課題設定の後はアイディエーションです。
日も落ちて暗くなってきましたがもう少し、頑張って!
机の上にはアイディアスケッチがいっぱい。
いよいよ発表、皆さん準備はいいですか!
発表する側はもちろん…
発表を聞く側も真剣そのもの。
アナログで直接のやりとりが素敵な提案から…
手軽で効率的なのが嬉しい提案まで、さまざまな提案がありました。
ターゲットとなった社員の皆さんからもフィードバックをいただき、いつもにも増して濃密なインターンシッププログラムだと思います。
朝早くから夜遅くまで学生の皆さん、本当にお疲れさまでした。
1日というとても短い時間の中で、各チームで進め方を工夫し、自ら課題意識をもって実習に取り組む姿が印象的でした。
1日でアイデアをつくり上げたという結果はもちろん、グループワークの中でさまざまな人の考えに触れ、学んだことも大きかったのではないでしょうか。
私もたくさんのことを学ばせてもらった有意義なインターンでした。
2015/04/22 18:15
◆FEATURE ARTICLES
Vol.16|となりのCSさん。
◆コンセント世界行脚
Vol. 018 | Eyeo Festival in Minneapolis
◆勝手に伝わるしくみ
勝手に019 | ビル・商業施設のロゴ
2015/04/13 15:30
志磨遼平さんのバンド、ドレスコーズのライブDVD発売を記念して、ライブを擬似体験できるイベントが 4月4日(土)、5日(日)に、タワーレコード渋谷店、新宿店にて開催されました。
イベントは、VR(仮想現実)空間を手軽に体験できるプラットフォーム「ハコスコ」(Hacosco Inc.)を覗き込むことで、ライブ会場最前列の花道付近から、360度、自分の好きな視点でライブを疑似体験できてしまうというもの。ライブに行けた人も行けなかった人も、生粋のファンもこれからのファンも、これはたまらない!
そんな、たまらない全天球動画コンテンツの制作を担当させていただきました、コンセント ディレクター/渡邊課 ディレクターの小山純です。
イベントに使用された全天球動画の撮影をコンセントで担当させていただきました。 …でも、なんでコンセントが? 実はこのプロジェクト、持ち込み企画から始まったのです。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、コンセントには、徹さん率いる「渡邊課」という全天球撮影部隊があります。このチームが、全天球を使ってミュージックビデオやイベントを撮影しているのを見ていて、ある日ふと、思いついてしまいました。
「…全天球、ドレスコーズ向けなんじゃないか! ロックンロールマナー満載な演奏風景を全天球で撮ることができたら、それはもうカッコイイ映像になるに違いない!」
思い立ったが吉日! ということで、サンプル映像と絵コンテ携え、ドレスコーズが所属するキングレコードさんに企画を持ち込みました。幸いにも、ご担当ディレクターさんと志磨さんが企画に興味をもってくださったことをきっかけに、実現に至りました。
というわけで、渡邊課 徹さん、広太さん、小山の3人でイベントにお邪魔してきました。いざ、タワーレコード渋谷店、新宿店へ!
ブースには、ハコスコ&ヘッドフォンのセットとキングレコードスタッフの方が。そして… おぉ、いました! 全天球動画を体験してくれているお客さん!
みなさん、なかなかいいリアクションで、頭を上下左右いろんな方向に動かしながら「おぉー!」「すごい…!」と歓声が。なんか、感極まる…。スタッフの方によると、リピーターの方も多かったとのこと。なるほど、2回目はまた別のアングルから見ることもできるので、全天球ならではの楽しみ方ですね。
そして! 志磨さんご本人も体験に…! ツイートまで! 感激で震えます…!
タワレコ新宿/渋谷でのハコスコ体験視聴、ご来場いただいた皆さんありがとうございました。すごかったでしょ? ぼくも滑り込みで間に合いました。開発者のコンセントの皆さん&タワレコも、どーもありがとう。 pic.twitter.com/FFjW4tZM1v
— 志磨遼平(ドレスコーズ) (@thedresscodes) 2015, 4月 5
イベントに来てくださったお客さんからは、「もっと見たい」「製品化してほしい」との声も。ライブ擬似体験イベント、成功ですね!
疑似体験、追体験を可能にする全天球動画。YouTube が正式に全天球に対応し(4月13日時点では、映像のアップロードと、 PC 用 Chrome ブラウザ、Android 版 YouTube アプリが対応済み。iOS 版の YouTube アプリも近く対応する予定のようです)、Facebookでも全天球動画をニュースフィードに埋め込めるようになると発表がありました。着々とプラットフォームが整いつつあります。表現の幅がグッと広がりそうですね。わくわくします。
志磨さん! キングレコードさん!
また何かやりましょう!
渡邊課や全天球動画にご興味をもってくださった方、お問い合わせは、コンセントのお問い合わせページからどうぞ。お待ちしています!
今回発売された、ドレスコーズのライブDVDはこちら!
アーティスト:ドレスコーズ
タイトル:“Don’t Trust Ryohei Shima” TOUR 〈完全版〉
品番:KIBM-502
価格:¥3,800+税
リリース情報:http://evilline.com/thedresscodes/release/(ドレスコーズ公式Webサイト内)
2015/04/01 11:39
今年もあらたに5名の新入社員をコンセントに迎えました。コンセントにようこそ!
1年先輩となったHi! FIVEの5人に、新メンバーへのWelcomeな気持ちを込めて、昨年入社してからの1年を振り返ってもらいました。
そうそう。撮影には、昨年からの恒例(?)となった「自分を表すアイテム」を持ってきてもらいましたよ。どんなアイテムなのかにも注目してね。
Q.1 入社時につくった特設サイト「Hi! FIVE」上で、「コンセントでしたいこと」はどこまで実行できた? できたと思うことと、課題だと思うことがあったら教えて。
昨年の自分はなんて書いたのだっけと思いサイトを読み返してみたら、「コンセントでしたいこと:革命を起こすこと」とあり、なんだか当時の自分をどつきたい気持ちになりました。
言葉の意図としては「固定観念やこうでなければいけないという考え方を捨て、小さくまとまりがちな自分の世界観に革命を起こす」というものだったのですが、過去の自分を振り返るのは少し恥ずかしいですね。
今は当時と比べると少しやわらかく物事を考えられるようになったかなという気がします。そういった意味で変な固定観念はとれて、少しラクに、自由にものを見れるようになったかな。
課題は失敗を恐れないこと。失敗するくらいの挑戦を、楽しんでしていけるといいな。
Q.2 この1年間で身についたこと、成長したことを教えて!
オンオフの切り替え。
Q.3 「これはまだ先輩に追いつかないな」と思うことはな〜に?
追いつかないことだらけですが、追いつきたいと思える先輩たちがたくさんいる環境は素敵だなと思っています。
Q.4 コンセントの中でこれまでに一番影響を受けた人は誰?
高橋裕子(Designer)さん
技術的なことはもちろん、デザイナーとして常に新しいことを試そうとする姿勢や、超多忙ななかでも仕事を楽しそうにこなしている姿にはとても影響を受けました。何より裕子さんの明るい笑顔にはいつも助けられていました。
感謝していますし、とても尊敬しています。
平田真知子さん
技術や知識的なことはもちろん、些細なことでも相談にのっていただき、この一年本当に心強いサポートをしてくださいました。たくさんの仕事をバリバリと、しかも細やかな気配りをもって正確にこなしている姿は本当にかっこいいです。まっすぐで素敵な大先輩です。
チームの皆さん
それぞれカラーの全く違う、個性豊かなデザイナーが集まってひとつの雑誌ができ上がっているということが驚きでしたし、そこに加わってデザインをしていけるという経験はとても楽しかったです。
たくさんのことを教えていただいたり、サポートしていただいたり、一緒に真夜中の差し入れをわかちあったり、良い経験をたくさんさせていただきました。
Q.5 1年前の自分へ伝えたいメッセージは?
失敗するのこわくないよ。
肩の力をぬいて、一生懸命やったら楽しいことや得られるものがたくさんあるよ。がんばれ!
Q.6 2015年4月に入社した新メンバーたちにおすすめしたいモノ・コトは?
笑顔!
Q.1 入社時につくった特設サイト「Hi! FIVE」上で、「コンセントでしたいこと」はどこまで実行できた? できたと思うことと、課題だと思うことがあったら教えて。
去年の4月の私は「恍惚感」をしたいこととして挙げていました。当時の私には「楽しさ・おもしろさ」以外に「美しさ」などを追求したいという気持ちがあったため、この言葉を選んだのだと思います。
この目標に対しては、いろいろな制作物に関わったことで、表層上の美しさの追求に関しては意識的に行えました。ただ、その制作物を手にする相手のことまで考えて手を動かせていなかったと思うので、そこが課題です。
Q.2 この1年間で身についたこと、成長したことを教えて!
特設サイト「Hi! FIVE」の「成長したいこと」の項目に「脳内関所の取り締まりを厳しくすること」と書いたのですが、今の自分を見ると、いろいろな方と関係や時間の制限があるやりとりをするようになったことで、脳内の言葉を咀嚼して口を開けるようになったと思います。
Q.3 「これはまだ先輩に追いつかないな」と思うことはな〜に?
大抵のものが追いつけていないな…と思います。しかしその先輩がたに認められたり褒められたりして、「これは自分の強みなのかも?」と思える部分も僅かながらあるので、それを支えに精進していきたいです。
Q.4 コンセントの中でこれまでに一番影響を受けた人は誰?
チームの上司の渡邉さんと、同期の4人です。
渡邉さんからは、視覚的な部分でのデザインについてもですし、もっと広義でのデザインについても学んだり気づきを受けることがありました。一年目でこのチームにつけて良かったと思います。
同期の4人それぞれ素敵な部分があって、密かに自分にも…と、部分部分パッチワークのように真似して行動している部分があったと思います。
Q.5 1年前の自分へ伝えたいメッセージは?
落ち着け。
Q.6 2015年4月に入社した新メンバーたちにおすすめしたいモノ・コトは?
自炊。
私は去年の10月から始めました。栄養や味のバランスなどの条件を設定したり、自分が食べたいものを作ったり、お皿などの、料理周辺を変えてみたりと、いろいろな視点から実験ができて楽しいです。ちょっと編集っぽい感じがします。
Q.1 入社時につくった特設サイト「Hi! FIVE」上で、「コンセントでしたいこと」はどこまで実行できた? できたと思うことと、課題だと思うことがあったら教えて。
「コンセントでしたいこと」=「動くこと」:
正直に言うと能動的に動いて挑戦するということはなかなか難しく、足踏みしてしまうことも多かったです。周りの方々からも「失敗を恐れずに」とアドバイスをもらいましたが、まさにそれに尽きると思います。
Q.2 この1年間で身についたこと、成長したことを教えて!
業務以外だと、自分の未熟さと向き合って必要に応じて人に助けを求めること。
Q.3 「これはまだ先輩に追いつかないな」と思うことはな〜に?
やっと皆さんの足の爪先が見えてきたくらいで、追いつけていないことばかりです。
Q.4 コンセントの中でこれまでに一番影響を受けた人は誰?
金子まやさん。
実際の業務についてはもちろん、働く姿勢や働くということそのものについてなど、多くのことを学ばせていただきました。
前田瑞穂さん、中岡慎介さん。
お二人がいなかったら多分、今のわたしはいないです。
Q.5 1年前の自分へ伝えたいメッセージは?
がんばって生きてください。
Q.6 2015年4月に入社した新メンバーたちにおすすめしたいモノ・コトは?
熱中できる趣味をもつこと。
Q.1 入社時につくった特設サイト「Hi! FIVE」上で、「コンセントでしたいこと」はどこまで実行できた? できたと思うことと、課題だと思うことがあったら教えて。
人の好奇心を「ひきだす」デザインをするのが1年前の目標でした。今年度の自分の業務範囲内でいうと、アイコン・イラスト等の「グラフィックデザインを通じて、コンテンツの魅力を端的に伝える」ことがこれに該当すると思います。そのコンテンツの内容に即したデザインのトーン&マナーをアートディレクターである先輩といっしょに考え、実際に制作するのは難しかったですが、やり甲斐も感じました。
Q.2 この1年間で身についたこと、成長したことを教えて!
Webデザインの基本的なレイアウトができるようになりました。
社内外の人に納得してもらうために、デザイン意図を言語化する機会もいただきました。
Q.3 「これはまだ先輩に追いつかないな」と思うことはな〜に?
仕事のスピードとクオリティ、そして正確さ。どんなボールが飛んできても冷静・迅速に打ち返す先輩方を見ていて尊敬するとともに、自分の遅さに落ち込む日々。早く余裕をもって仕事に取り組めるようになりたいです。
Q.4 コンセントの中でこれまでに一番影響を受けた人は誰?
佐藤通洋さん。
時々声をかけてくださり、デザインやキャリアのアドバイスをいただけて、とても心強いです。目の前の業務にとらわれ、視野が狭くなりかけてる時にメタ的な視点を取り戻してくれます。
Q.5 1年前の自分へ伝えたいメッセージは?
会社は快適。先輩も同期もおもしろい。でも、年度末の3月は稼働がピークになってちょっと苦しいので、覚悟すること(3月、遂に会社に泊まりました)。
Q.6 2015年4月に入社した新メンバーたちにおすすめしたいモノ・コトは?
適度なストレッチと運動:
長時間のデスクワークは、予想以上に体(首・肩・腰)にきます。整体も何度か行きましたが、やっぱりストレッチと運動を習慣化して、血行を良くするのが一番だと私は思いました。そうすると、痛みは緩和するし、体力もつくし、瞬発力が上がる!
Q.1 入社時につくった特設サイト「Hi! FIVE」上で、「コンセントでしたいこと」はどこまで実行できた? できたと思うことと、課題だと思うことがあったら教えて。
「(広義的な)デザインすることを習慣づける」ことを掲げてたんですが、目の前の業務をこなすことで手一杯になっています…。引き続き「デザインの習慣化」を目指していきたいと思います!
Q.2 この1年間で身についたこと、成長したことを教えて!
「チームで仕事をこなすこと」
Webでも紙でも制作の裏には、想像していたよりもずっと多くの人が携わっていて「制作はチームで行う」ということを思い知らされた1年でした。社内外の人がもっと仕事をしやすいようにサポートできる人になりたいなー、とこっそり考えてます。
Q.3 「これはまだ先輩に追いつかないな」と思うことはな〜に?
「仕事のスピードと精度」
初めてこなす業務ではどこに落とし穴があるのかわからず、ミスすることも多々あるけれど、初めてこなす業務ですら高い精度で仕上げられるようにしたいですね!
Q.4 コンセントの中でこれまでに一番影響を受けた人は誰?
「小山純さん」
お師匠さま
Q.5 1年前の自分へ伝えたいメッセージは?
「仕事もプライベートも充実してるよ!」
昔は結婚している自分の姿なんて想像できなかったのですが、ちゃんと仕事に就いて、結婚もできてるんで安心して大丈夫と伝えたいですね(笑)
Q.6 2015年4月に入社した新メンバーたちにおすすめしたいモノ・コトは?
「恵比寿メシハンター」
恵比寿で打ち上げの店探しに困ったことがあるだろうか…いや無い!と言い切れるくらい、恵比寿には素敵なお店があります。仕事で頑張ったら自分へのご褒美に、ちょっと良いお店に行くのがオススメです!
2015/03/31 17:00
こんにちは。Service Design Teamの若林です。
サービスデザインの話題を中心に、広くデザインについてディスカッションを行うオープンな勉強会「Service Design Salon」も5回目となりました。
今回は、デンマークで活動されているビジネス・コンサルティング・エージェンシーayanomimiの岡村 彩さんと、これまでの「Service Design salon」でさまざまなデンマークの事例を紹介してくださったエスベン・グロンダールさんが、ITOKI東京イノベーションセンターでのパネル展示・セミナーのために来日されるということで、この機会に普段なかなかお会いすることのできない二人をお招きしての開催となりました。
第3回、第4回の「Service Design salon」では、「サービスデザインだより from デンマーク」と題し、デンマークからの事例紹介を中心に行ってきましたが、今回は「日本の公園から考える」と題し、日本の公園についての現状や課題を共有し、デンマークの公園との違いや共通点などをディスカッションしながら、文化や環境の違いがサー ビスデザインにどのような影響をもたらすのかを探っていけるような内容を計画しました。結果的に公園だけでなく、図書館、行政サービスについてもディスカッションできる有意義な回となりました。その様子をレポートします。
最初に岡村 彩さんから、ayanomimi設立の経緯や活動概要、ITOKIの展示内容の一部について紹介いただきました。
岡村さんのご両親は、デンマークでクリエイティブな仕事をされており、家には自然とクリエイティブな人たちが集まる環境だったそうです。そうした環境の中で育った岡村さんは、クリエイティブな人たちはとても楽しそうである反面、どうしてお金儲けがあまり上手ではないのかと感じ、クリエイティブな人たちをビジネス面からサポートしたいと考え、商科大学に進み経営学を学んだそうです。そして、言葉や文化の違いによる壁をなくし、日本のよいところ、 デンマークのよいところを活かしたビジネスを行うべく、ayanomimiを設立されたそうです。
デンマークでは日本よりも本が高いことや、知識や情報はできるかぎり多くの人がアクセスできるようにすべきという考えがあることから、昔から図書館が重要視され、地域のハブとして活用されてきているそうです。また、図書館はすべてのサービスをすべての市民に無料で提供しなければならないという法律もあるそうです。
図書館の役割は結構日本と違っているなという印象を受けました。
本を借りる人は減ってきているにもかかわらず、図書館の予算は年々上がっているそうで、その背景には時代にあった新しい機能、サービスを提供することが求められているということがあるようです。すべてのサービスが無料であるという点は変わりありませんが、本を借りるだけでなく、ゲームやスポーツの道具を借りることができたり、スポーツ施設の利用もできるようになっています。
ゲームを図書館で借りることができるとは日本では考えにくく、とても驚きました。
他にも、本棚の上を歩いたり、寝たりできるようになっているものもあるようで、「日本だとまず子供が落ちて怪我でもしたらどうする」という話になりそうだという声が会場から出ていました。また、図書館は24時間、事前に予約すれば無料で借りることができ、勉強会やコンサートなどを行うことができるようにもなっていて、市民が文化に触れる、知識を得るということにとても協力的だということです。
ここで、会場から日本にも同じような取り組みがあるとの声が。
武蔵境にある「武蔵野プレイス」という図書館にはバンドの練習スタジオやカフェがあり、市の単位では日本でも図書館を再定義しようという動きがみられるようです。日本にもそのような取り組みがあることを知り、岡村さんは「地域・国にあわせてどのように進めながらつくっていくのかを共有できたらおもしろくなるのでは」とおっしゃっていました。
参加者からも、日本では民間に行政サービスをまかせるというやり方を行い、サービス向上をはかっている事例があることを紹介してくれました。サービスレベル向上のために民間をいれることに非難の声は聞かれるものの、一定のサービスレベルが向上しているようです。日本は他国に比べてパブリックサービスが劣っているけれども、国によってパブリックセクターの予算も違っているので、そのあたりも含めて比較できるとおもしろいのではという視点を提供してくれました。
デンマークからみると、日本のパブリックセクターにそれほど予算がないことが不思議だそうです。
デンマークの図書館も10年前は日本と変わりなく、デジタル化をきっかけに政府が戦略的にサービス強化の施策を行い、2ビリオンクローネの利益を出すことができるようになっていったようです。2014年11月にはペーパーレス行政とし、時代にあわせて、効率よくスムーズにコミュニケーションできるインフラをつくることに取り組んできた結果だと思うとおっしゃっていました。その背景には福祉国家であること、行政と市民の距離が近いということが影響しているのではとのことです。デジタル化によって、より便利に使える人たちがいる一方、使い方がわからない人たちも出てきてしまうという問題については、ショッピングセンターや図書館といった身近な場所に使い方を教えてくれる人を配置するという対策を行っているそうです。
日本の場合、デジタル化、ペーパーレス化によって使いこなせない人たちが困るという話からなかなか先に進めない現状があるかと思いますが、使い方がわからない人への対応も含めてペーパーレス行政へと移行できるあたりに、日本とデンマークの違いを感じました。
岡村さんからITOKIでの展示内容について紹介していただく中で、図書館、パブリックサービスについて、日本とデンマークの違いや共通点がみえてきましたが、ここからは日本の公園について、行政へのインタビューなどを行いリサーチした結果を共有し、現状の日本の公園が抱える課題やそれに対する解決案についてディスカッションしました。
最初に映し出されたスライドは、暗闇に怪しく光る何だかわからない造形物! それが何枚か続き、それが公園の遊具を撮影したものであることがわかりました。
昔の公園には、このようなおもしろく、変なものがあったけれど、最近はあまり見かけなくなってきたことや、大人になってから公園で遊んでないことから、公園ってどうやってつくられているんだろう? という疑問がわき、地域の人に受け入れられている公園をつくった行政にインタビューをしてきてくれました。
その公園は市民参加型でつくられた公園で、市民参加のプロセスも工夫して取り組んだものでした。普通にワークショップを実施してしまうと、大人が中心になり、公園についての意見も、騒音対策、防犯、不良やホームレスが集まらないというものが多くなってしまい、公園が均質化してしまうという問題があるそうです。そこで、まず子供中心のワークショップを行い、その結果を大人に提示するというプロセスをとることで、大人中心になってしまうことによる「公園の均質化」問題を回避する工夫をされていました。
市民参加型のものづくりプロセスには工夫がされていたものの、「大人はどうやって公園で遊ぶことを想定しているのか」という質問には「ベンチに座って植物を眺める」という回答だったようで、それって遊びじゃないのでは? という疑問がわき、やはり大人にとっても楽しめる公園が少ないという問題意識が強まったようです。
公園は遊具が古くなって取り替える必要があったりするため、どんどん新しくなっていってるようですが、そこには
・公園が土地と歴史から疎外されている
・地域住民が公園づくりのプロセスから疎外されている
・大人が遊びから疎外されている
という課題があり、それらの課題を解決し、公園づくりにもっと関わっていくためには、
・地域住民の意見を汲み取れるソリューション
・土地の特性、歴史を踏まえた公園づくりへの提言
・大人の公園の遊び方/子どものためだけではない公園のあり方
を考えていくことが有効ではないかというアイデアを提案していただきました。
これまでの発表内容を受け、会場のみなさんから質問をいただきながら一緒にディスカッションを行いました。
***
ーー日本の公園はベンチに手すりをつけて、ホームレスが寝ることができないようにしているが、それについてどう思うか?
「最近ヨーロッパでもそういう話があり、ロンドンでは、歩道に凸凹つけて寝られないようにしている。デンマークでも、地下鉄にはホームレス対策として、座ることができないけれどもたれかかることはできるようなベンチが多くなっている」
ーー日本の公園づくりのワークショップにはデザイナーやアーティストは参加している?
「大人中心で公園づくりのためのワークショップを行うと、何もいらないとなってしまいがちだそう。インタビューしてきた公園のワークショップでは、コンサルタントが参加していた。子供たちに自由に遊んでもらい、楽しかった行為を音で表現して、そこから公園をつくるというプロセスをとっていた。小さい公園だと、公務員の方が設計している。あとは、公共の施設をつくるという観点から、大人が楽しめる公園というようにターゲットを絞ることはなかなかできないよう」
ーーデンマークはやってみようという文化があると聞いた。日本だと、学校にしても、役所にしても意見をもらったら、それをどうしてよいかわからないから、もらわないようにしている気がする。
「デンマークの国民性として、意見やアイデアを共有するというのがある。あとは、ワークショップをファシリテーションするときに、デザイナーやランドスケープデザイナーが、意見にフィルターをかけて整理していて、市民はアイデアは出すけど、それをかたちにしていく過程には、デザイナーやランドスケープデザイナーなどの造形的プロフェッショナルな人たちが必要だということが認知されており、そのような人たちの存在が尊重されている。」
ーーコペンハーゲンは「どこに住んでいても公園やビーチに徒歩15分以内で着ける」環境の整備を掲げ、ポケットパークと呼ばれる小さな規模の公園やグリーンエリアを創設している。デンマークは災害が少ないため、日本と違って災害のためのアイデアというよりも憩いの場、エコ、スマートシティのためのアイデアが中心。
「日本でも、公園に防災広場としての役割があったとしても、そこに憩いの場という意味合いがもっとあってもよいのではと思う。」
***
「Service Design salon Vol.5」の一部を紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか。
図書館、行政サービス、公園の事例から、日本とデンマークにおける「行政と市民の距離」や「スペース(土地)」の違いがあり、それがつくられるモノやサービスに影響していることが見えてきました。一方、図書館や公園のあり方を見なおしていこう、市民を巻き込んでモノやサービスをつくっていこうという動きは、どちらの国にもみることができました。
個人的に日本とデンマークで大きく違っているかなと感じたのは、デンマークでは市民を巻き込んでつくっていこうとする際に、デザイナーやアーティストの必要性が市民に認知され、尊重されているというところです。日本では、そういった場合にデザイナーやアーティストの役割や必要性を多くの方に認知してもらえているとは言えない気がしており、デザイナー側から自分たちの仕事の内容や価値を多くの人に伝えていかなければならないなあと改めて感じました。
3月17日(火)に開催された第6回は、「サービスデザイン思考と学び」と題し、UXD initiative研究会との共催で開催。「サービスデザイン思考とは?」「サービスデザイン思考の学ぶには?」というテーマで、サービスデザイン思考に関連する活動をしている安藤昌也氏(千葉工業大学・准教授)、山崎和彦氏(千葉工業大学・教授)とコンセントの長谷川の3名に話題提供をしていただき、パネル・ディスカッションを行いました。また後半には、千葉工業大学の学生の方々のサービスデザインのパネル発表も見ながら、参加者でのディスカッションを深めました。
そして、4月3日(金)には第7回を開催予定です。UXD initiative研究会との合同企画で「UX and Emerging Technologies」をテーマに、TEDx や IxDA などの国際会議でスピーカーを務めるDirk Knemeyer氏をゲストにお招きし、テクノロジーの側面からデザインないしはユーザエクスペリエンスの今後について議論を深めたいと思っています。この記事が公開された時点ではわずかですが残席がありますので、ご興味のある方はぜひ以下のページにて詳細をご確認いただきチケットをお申し込みください。
⇒ Service Design Salon Vol.7/第17回UXD initiative研究会 詳細・チケット申込ページ
今後もさまざまなテーマでService Design Salonを開催予定です。ご興味をもっていただいた方、参加してみたい!と思っていただいた方は sd-salon★concentinc.jp までご連絡ください(メールをいただく際は「★」を「@」に変えてください)。
お待ちしています!
【関連リンク】
⇒ オープンな勉強会「Service Design Salon」
⇒ Service Design Salon vol.4 レポート
2015/03/25 13:40
こんにちは。踊る広報担当の岩楯です。
先日、有楽町駅前で開催されていた「柏崎の魅力総選挙2015春」というおもしろそうなイベントに、なおちゃんと行ってきました。
柏崎市は新潟県にある海岸沿いに位置する街。このイベントは、自然がもたらす農産物や文化、ものづくり技術など、柏崎市のたくさんある魅力からNo.1を投票で決めちゃおう!というもの。
イベントの詳細はこちらにあります。
⇒ http://www.city.kashiwazaki.lg.jp/chiikihatsu/senkyo/
※Webサイトやリーフレットに掲載されている各候補のモデルさんたちは、水球選手やライフセーバーの方々とのこと! どおりでみんな鍛えられた身体ですよね。
3月20日(金)〜21日(土)に行われた有楽町駅前でのイベントでは、「豊かな自然の恵み(農産物)」をはじめとした8カテゴリーの候補が集い、試食や販売、体験などを通して、訪れた人たちに「我こそはNo.1!」というその魅力を伝えていました。
…なぜこのサストコで紹介しているの? という声が聞こえてきそうですが、理由は大ありなんです。
なぜならば、候補5としてエントリーしている「百花繚乱(りょうらん)!咲き誇る!(海の花火)」のPRブースでの「海の大花火」バーチャルリアリティ体験に、徹くん率いるコンセント渡邊課が手がけた全天球動画コンテンツを提供させていただいたからなのですー。広報担当としては体験もとい偵察は必須。
柏崎市と言えば、越後三大花火の一つとして知られる「ぎおん柏崎まつり」が有名ですが、そのお祭りのクライマックスは海の大花火大会。
コンセントのコーポレートサイトのニュースでお伝えしましたが、渡邊課では昨年の2014年7月に行われたこの花火大会の様子を全天球カメラにて撮影。ハコスコアプリ(開発:HACOSCO, Inc.)に提供していました。
テレビ番組『王様のブランチ』でのVRアプリ特集にて、ハコスコアプリと全天球動画コンテンツ「ぎおん柏崎まつり 海の大花火大会」が紹介されたのですが、なんと柏崎市シティセールス運営委員会の方がその放映を視聴くださっていて。今回のPRイベントで体験会をできないか、お問い合わせをくださったんです!
なんとも嬉しくありがたいご縁!
ブースには、ハコスコ3台が用意されていました。
私たちが会場にいる間にも体験者に遭遇。身体ごといろんな方向に動いたり、首を上下左右にふったりしている姿を見て、自分が撮影したわけでもないのに嬉しくなります(笑)。
翌日も様子を見に行っていた徹くんは、子どもたちが体験する様子を見れたそう!
そして。
ブースでは徹くんデザインのリーフレットも配布。モデルは、我らがガッキーです!
最後に投票して帰りました。
私たちが行ったこの日、ブースには問い合わせくださったご本人がいらっしゃって、あらためてコンテンツを知ってからこの日に至るまでの経緯を熱く教えてくださいました。柏崎市の魅力をいろんな人に伝えたい、そう強く想ってらっしゃるんだなとお話を聞いて感じました。
番組で紹介されていなかったら——。視聴されていなかったら——。興味をひかなかったら——。体験ブースを含めたPRイベントを企画されていなかったら——。そもそもこの花火大会を渡邊課が撮影していなかったら——。
そう考えると、本当に奇跡的(!?)なご縁だなと感謝せずにいられません。
ありがとうございました!
そしてこの「柏崎の魅力総選挙2015春」は、公式Webサイトからも投票できるんです。期間は3月29日(日)まで。
ぜひぜひ8つの魅力を知り、参加してみてくださいね。
■「柏崎の魅力総選挙2015春」Webサイト
⇒ http://www.city.kashiwazaki.lg.jp/chiikihatsu/senkyo/
2015/02/23 17:22
Input & Outputはデザイナーの横山詩歩が、異なる業界で活躍しているおもしろそうな方々に、メディアをどう使って(あるいは使わないで)インプットをしてそれをアウトプット(仕事あるいは趣味や生活)につなげているのかお話を聞く企画です。
●企画の詳細やvol.1のインタビューはこちらをどうぞ。
⇒ vol.1 : Jeffrey Chiedo「幅広いメディアと幅広い視野」
今回、話を聞かせていただいた方:下村恵利さん(以下、E)
聞き手:横山詩歩(S)
(S) はじめまして。早速ですが、恵利さんのお仕事について教えてください。
(E)女性起業家、ビジネスオーナーのためのプロモーションツール制作プロダクションをやっています。Webサイト、写真、動画、デザインワークなど、ビジネスプロモーションに必要不可欠なツールをクリエイターと提携しワンストップで承っています。受注案件の他に自社でもWebマガジンを運営しておりオウンドメディアの制作に力を入れています。
(S)恵利さんが運営されているWebマガジンについて教えていただけますか?
(E)『美ノ匠』は、既存の予約取次ぎサービスのように「差別化しない一般的な店舗情報」で探すのではなく「人(施術者)の魅力」ベースで検索する「予約サイト」と「情報発信メディア」を組み合わせた情報発信型の予約サイトです。「美」の分野におけるクオリティの高いスペシャリストを厳選し、ご本人たちの実績や魅力をブランディングしながら、お店の規模に囚われない予約のきっかけをつくっていくことが目的です。彼女たちが出演するCMをつくる、個人に焦点をあてて、仕事への想いをインタビュー動画形式で紹介するなど、エンターテイメントの要素もとりいれています。
第三者目線で厳選した方を集めることでクオリティの担保をし、また『美ノ匠』において彼女たちは、現代女性の理想的な働き方を実現しているロールモデルという魅せ方を徹底することで、客観的なブランディングを構築しています。
(S)では恵利さんが考える現代女性の理想の働き方とはどういったものでしょうか?
(E)女性のライフスタイルっていうのが変わってきている中で、一か所集合型の働き方だけが選択肢じゃないわけですよね。朝から晩まで時間と場所を制約されて働くというスタイルだけでは、特に女性はいつか辞めなくてはならないケースが多くなってしまいます。さまざまな方法があると思うんですけれど、もっと柔軟な働き方が成り立てばいい。極論ですが、その一つの策が「自分のビジネスをもつ」ことだと思っています。もちろん誰もが簡単にできるわけではないけれど、昔よりもやれるようになってきている。やりたい人も増えてきている。そこで、既にやっている人たちを集団で紹介することで、それを見た人にも「こんな働き方が私にもできるかも」というきっかけを与えたい。そういった社会的な意義をもって活動しています。とはいえ小難しくするのではなく、エンタメの要素を取り入れながら華やかに魅せています。
(S)『美ノ匠』のコンセプトを教えてください。
(E)腕が良い方、バイタリティのある方は独立される傾向にありますが、広告費が高い既存のフリーペーパーなどでは、掲載したとしても他者との差別化が図りづらいのが現状です。このようなツールは複数のサロンを経営している中小企業向けだと思っています。つまり、個人の方々が独立したときに載せられるプロモーションツールが存在しない。ではコストのかからない無料のSNSやブログを利用して集客しようとすると、誰もができることなのでこれはこれで他者との差別化が図りづらい。クオリティの高い人だけを厳選して掲載するという方針でこのWebマガジンを始めたので、ユーザーが腕のいい方をちゃんと探せる仕組みになっています。
(S)職業柄、美に関する情報にアンテナを張られていると思うのですが、情報収集はどのようにされていますか?
(E)そうですね、情報収集は常にしています。美容に関してよく聞かれるので、私自身がわかっていないといけないんですよね。取材でも、スペシャリストが揃っているので、彼女たちから学ぶことは本当に多いです。もともと美容の施術は相当受けているのですが、新たな流行などの調べ物をするときはWebが多いです。テレビはあまり見ません。ニュースくらいかな。『ワールドビジネスサテライト』とか『NEWS ZERO』とかは見ますね。切り口は美容なんですけど、女性の働き方がマクロのテーマなので、そこに関連する社会的な動向は必ずチェックするようにしています。
(S)新聞でニュースは読みますか?
(E)新聞は…見出しに目を通すくらいですね。紙面よりもスマートフォンでデジタル版を読んだりします。Gunosyはニュースアプリですけど、メディアという意味では近い部分もあるので、なんであんなにダウンロードされているのかなと思ってダウンロードしてみたり。
今、現役の学生として大学で社会学や社会福祉を専攻しているので、論文を書くために図書館にも積極的に行きます。学生なので大きい図書館にも行けるし、公式の論文や過去の新聞の記事を読めるようなWebサービスにもアクセスできるので、そういったものは活用しています。
(S)美に関するトレンド情報はどうやって集めていますか?
(E)WebやSNS上ではすべての個々人がメディアなので、その中のオピニオンリーダーみたいな人をウォッチすることでトレンドって見えてくる気がします。街や店そのものがメディアの役割を果たしていることもあるかもしれないですね。オーガニックの店自体が増えきていたりとか、環境にトレンドが反映したりしている気がする。健康のためもあるんですけれど、歩くのがすごく好きなので、街行く人のファッションやお店からトレンドを発見するという意味も込めて歩いていますね。「みんなこれ着てるなあ。これ流行っているのかな?」と考えたことはあとで調べたりします。コンビニに並んでいる雑誌からも流行がわかると思います。中を読む読まないに限らず、並んでいるものからでも情報は得ていると思います。
(S)雑誌は買いますか?
(E)飛行機や新幹線に乗る前には買います。旅のときなどゆっくり時間を使うときには紙がいいなと。
(S)そういうときはリサーチ目的で買いますか? それとも読みたいものを買いますか?
(E)そこは読みたいもの!ファッション雑誌が多いですね、流行を知るために。ファッションと美容の流行って結構リンクしているんです。わかりやすいところでいくとネイルとか。ファッションで流行った柄がネイルでも流行ったり。「いろいろな職業の方のお仕事密着」という特集もおもしろいなって思って買っちゃいますね。
(S)具体的にはどういう雑誌ですか?
(E)ファッション雑誌だと『Oggi』とか、あと『Story』、『美st』、『Dress』…。『Dress』がWebプロジェクトとしてやっていることは参考にしています。ファッション雑誌は仕事にも関係するので一通り読みますね。iPadには『Vogue』の電子版を入れていて、写真としていろんなものをチェックするためにアートや写真集的な感覚で見ています。本屋に行くときは、食からファッションまで、平積みのものをいろいろとチェックしますね。
(S)ファッションがお好きなんですね
(E)留学していた時もファッションビジネス専攻だったし、海外に行くようなコレクションのモデルもやっていて、その後アパレル業界でも3年くらい働いていたんですけど。そういったキャリアのきっかけはやっぱりファッションや服が好きだったからだと思います。
(S)そういったファッション業界でのご経験から日本のファッションに関するメディアについてどう思われますか?
(E)モデルをやっているときにすごく言われていたのは、「日本には日本独自でつくっているハイファッションの視点をもった雑誌が少ない」ということです。なぜかというと売れないから。でも韓国とか中国にはその国独自のハイファッションの雑誌がわりとあるんですよ。そうすることで国内のクリエイターの質が上がるし、モデルの質も上がる。モデルって、ブックという自分の写真集みたいなものをつくるんですけど。それを持っていろんなファッションブランドやコレクションに行って、それを見たハイファッションのデザイナーが「君をモデルにするとこういう写真が撮れるんだね」とインスパイアされて、じゃあうちの春夏コレクションに出てくれ、みたいな話になるんですが…。
(S)日本のモデルだと…
(E)ハイファッションの雑誌が多くあれば、モデルのブックの質もあがる。でも日本ではそもそもそういう雑誌が少ないから、ブックに使える素材も少ない。ハイファッションの視点をもつ機会が少ないっていうのは日本のクリエイターやモデルの育成上、すごく問題だと思います。ではなぜ国や企業がハイファッションのクリエイターをサポートしないのかというと、あまりお金にならないから。それが問題だと思います。私、バレーボールの元アスリートで、一緒にやっていた仲間はオリンピック選手になったりしているんですけど、スポーツの問題も同じだと思っていて。トップアスリートの育成に力を入れないのは目先の利益になりづらいからかもしれないけれど、そこから広がって大きな産業が産まれるわけじゃないですか。ブームが始まってプレーヤーの母数が増えたり、プロダクトが売れたり、業界周りの本が売れたり…。クリエイターやアスリートのサポートっていうのはすぐに利益になりづらかったりする。でもそこのサポートをやめてしまうとクリエイティブなものや文化が産まれなくなってしまう。目先の利益にならないことはあまりサポートしないっていうのは日本の残念なところかなと思っています。
(S)先ほど現役で大学に通われているというお話がありましたが、入学したきっかけはありますか?
(E)それには明確なきっかけがあって、5年前に母が交通事故で障害を負ってしまったんです。モデルやファッション業界で働いていて、海外に頻繁に行っているようななかでそういう事故が起きて、私、働けなくなってしまって。海外に行くなんてとんでもないし、家からも出られない。そういった時期が事故から2年間くらいあって。男系家族だったので彼らは会社を辞めるわけにもいかないし、自然な役割として私が主介護者になったんです。家族の中での緊急事態なので、もちろん納得していたし、母のためなのでそれはまったく苦ではなかったんですけど…。なにが辛いって、介護ではなくて、働けないことが辛かったんです。家族には必要とされているんだけれど、社会には必要とされていない自分。他者との接点がないことに惨めさを感じました。2年くらい経って、状態が緩やかになったときに、せめて勉強したいなって。一連のアクシデントがあって、行政や病院に関わるようになって、介護や医療の問題点の当事者になって、自分の無力さや社会のおかしさを感じて…「変えたいな、日本」って、でっかいマグマが沸いてきて…(笑)。でも変えたいならまずは学ぶことだなって思ったんです。海外で2年制のカレッジを卒業してからはモデルをやるためにパリに行っていて、大学には通えていなかったので通おうと。
(S)今のお話で恵利さんが現在のお仕事の中で大切にされていることに合点がいきました。
(E)社会性とか社会福祉にこだわっているのは、そういった出来事が動機になっているからなんです。今も介護の生活は続いてるんですけれど、いろんな人の協力や社会サービスのおかげで私が外に出れる。再び働くことができる。それって本当にありがたいことだと思っています。「社会との接点をもてない」ということがどれだけ惨めだったか。自分が充実していないときには、人に愛情を注げないということをすごく感じたんです。まずは自分が輝いていること。だからこそ自分以外の人間に愛情が注げる。「輝き」ってやっぱり社会との繋がりの中で生まれるなあって思ったんですよね。みなさんそれぞれさまざまな状況におかれていると思うんですけれど、働き方の形態は昔より豊富にある。だからそこをフューチャーしたいなって。それはずっと変わらない部分としてあって。なので会社の理念が「女性の独立・起業をもっとフレキシブルに」なんです。独立や起業じゃなくてももちろんいいんですけれど、「働き方」をもっとフレキシブルにしたいなって。
(終わり)
プロフィール
下村恵利(しもむら・えり)
1983年生まれ、東京都出身。カリフォルニア州立フラトンカレッジ卒業、早稲田大学在学中(メディアコミュニケーション研究室所属)。在米時にモデルエージェンシーよりスカウトを受け、帰国後、本格的にショーモデルとしての活動を開始。ニューヨーク、パリ、ミラノ、アジアへと渡り、2006年、パリコレクションでビッグメゾンへの出演を果たす。その後某アパレルブランドにて、貿易・生産管理業務に就く。
2011年より早稲田大学人間科学部(eスクール)に入学し、社会福祉・社会学を中心に『女性の働き方・ワークライフバランス』を探求。 2012年、女性が起業したい分野No.1ともいわれる美容事業にシフトチェンジ。店舗所有のリスク軽減とWebサポートを組み込んだ新しい形のレンタルシェアサロン『進化型会員制シェアサロンBe Asia』をオープン。
2013年BEAUTYスペシャリストが発信するWEBマガジン連動予約サイト『美ノ匠』の立ち上げと同時に、女性起業家プロモート、WEB/写真/DTP/動画等のプロモーションツール制作プロダクションである株式会社ビーエイジアを設立。
http://www.be-asia.jp/
http://www.be-takumi.jp/
写真クレジット:Michael Holmes
http://michaelholmesphoto.com/
https://www.facebook.com/michaelholmesphoto